2025.09.16

災害用シェルターとは?家庭用を導入するメリットや注意点、費用について解説

災害シェルター
家庭用シェルターとは?

私たちの暮らしは、日ごろから地震や津波といった自然災害、さらには核攻撃といった脅威にさらされています。

こうした災害はいつ起こるかわからないため、「もしものときに家族を守れるのだろうか」という不安を抱いている方も多いでしょう。

そんな中、近年注目されているのが、家庭用の災害シェルターです。外部の危険から身を守り、安心を得る手段として、購入を検討する家庭が増えています。

この記事では、災害用シェルターの基本から種類や価格相場、導入のポイントまでをわかりやすく解説します。

大切な家族を守るための一つの選択肢として、ぜひ参考にしてください。

災害用シェルターとは?

家庭用避難シェルター

災害用シェルターとは、地震や津波、台風、洪水などの自然災害、核攻撃の脅威から命を守るための避難施設です。「防災シェルター」とも呼ばれます。

シェルターがあれば、地震による建物の倒壊やミサイル攻撃による爆風などから身を守れるほか、ライフラインが止まるような非常時でも一定期間の避難生活を送ることが可能です。

最近では、地下に設置するタイプや屋外に置くタイプのほか、家の中に設置できる手頃な価格のモデルも増えており、多くの人から注目を集めています。

家庭用の災害シェルターが注目を集める理由

災害用シェルターに注目が集まっている背景には、近年の「頻発する自然災害」と「不安定な国際情勢」があります。

自然災害については、2011年の東日本大震災や2024年の能登半島地震によって強い揺れが発生し、家屋の倒壊や津波によって多くの命が奪われました。

中でも、新耐震基準に対応していない木造住宅に被害が集中したことは広く知られています。

こうした背景から、自治体では災害用シェルターの補助金制度を導入しており、普及を後押しする動きが進んでいます。

また、国際情勢については、近年は台湾有事の懸念などを背景に、日本も核攻撃や放射能被害への備えを見直す必要に迫られています。

しかし、日本の核シェルター普及率は0.02%と世界的に見ても低いため、不測の事態への備えとして、核兵器や放射能に対応できる家庭用シェルターが注目されているのです。

災害シェルターと公共避難施設の違い

災害シェルターに注目が集まる中「公共の避難所があるからシェルターは不要では?」と考える方もいるでしょう。

しかし、災害シェルターには公共の避難施設にはない特徴や違いがあります。

以下では、災害用シェルターと公共避難施設、さらに耐震リフォームを比較して、それぞれの違いと特徴を整理しました。

項目 公共避難施設 住宅の耐震リフォーム
特徴 ・多くの人が集まる公共の避難所

・水や食料の備蓄がある

・家全体の耐震性をアップできる

・自宅という安心感がある

課題 ・情報収集がしやすい

・移動に時間がかかる

・プライバシーが保たれない

・大がかりな工事が必要

・高額な費用がかかる

災害シェルターとの違い 自宅から離れる必要があるため、初動が遅れる 地震には強くなるが、津波や核攻撃は防げない

表からもわかるように、突発的な災害や核攻撃に備えるという点では、シェルターのほうがより安全性が高いといえます。

そのため、公共の避難施設や耐震工事とは別で災害シェルターを導入することには大きな意味があるのです。

災害用シェルターのメリット

ここでは、災害用シェルターを導入することで得られるメリットを紹介します。

さまざまな災害に備えられる

災害用シェルターの最大のメリットは、シェルター1つで地震や津波、核や放射能などのさまざまな災害に備えられることです。

ひとつ導入するだけで幅広いリスクに備えられるため、複数の設備を整える必要がありません。

一方で、学校や地域施設にある一般的な避難シェルターは、必ずしも災害対応を前提に設計されているわけではありません。

設備が不十分なケースも少なくなく、長期的に安心して過ごせる環境とは言い切れないのが現状です。

家の中でスムーズな避難が可能

自宅に設置できる災害用シェルターなら、避難所まで移動する必要がないのも大きなメリットです。

地震や台風といった災害は、深夜や荒天の中で発生することも多いです。

その際に、高齢者や小さな子どもを抱えて避難するのは難しいケースもあるでしょう。

その点、自宅にシェルターがあれば、発災直後に数分で安全な空間に避難することができます。

どのような状況でも家族全員がスムーズに避難できるのは、大きな安心につながるはずです。

長期の避難にも耐えられる

災害用シェルターは、単なる一時的な避難場所ではなく、長期間の避難場所として利用できるのも魅力です。

高強度の特殊鋼材やコンクリートを使用し、数日から数週間にわたる長期の避難に耐えられるよう設計されています。

中には、高性能の空気浄化フィルターを搭載したものや、トイレや温水シャワー付のシェルターもあり、快適に避難生活を送れる工夫が施されています。

食料と水、寝具などをあらかじめ備蓄しておけば、数週間単位で生活することが可能です。

避難所以外としても活用できる

災害用シェルターは、非常時だけ使う部屋ではありません。

たとえば、普段から酸素カプセルルームとして健康維持に活用したり、テレワークや趣味のスペースに使ったりと、さまざまな用途で使用可能です。

また、災害グッズや非常食、飲料水の備蓄スペースとしてシェルターを利用すれば、点検や入れ替えがしやすくなるため、万が一のときでもすぐに必要な物資を確保できます。

災害用シェルターの種類

災害用シェルターには、地震や津波、核といったリスクに応じてさまざまなタイプがあります。

どのような災害に備えたいかによって選択肢が変わるため、自宅や家族の状況に合ったモデルを検討することが重要です。

ここでは代表的な3つのタイプを紹介します。

耐震シェルター

コンテナ型シェルター

耐震シェルターとは、地震による揺れや家屋の倒壊から命を守るために設計された災害シェルターです。

一般的な耐震改修工事より安価で設置でき、自治体によっては補助金制度を利用できる場合もあります。

家庭向けの耐震シェルターには、押し入れに組み込めるもの、ベッドに設置できるタイプなどがあり、生活空間を邪魔することなく設置できるのが魅力です。

詳しくは以下の記事でも解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

津波シェルター

津波シェルター

津波シェルターとは、津波の強い水圧や波の衝撃に耐えられるように設計された避難設備です。

近年注目されているのは、ぷかぷかと水に浮かぶタイプのシェルターで、まるで救命ボートのように水上で安全を確保できます。

もし家が津波にのまれた場合でも、シェルターに避難していれば、水上で浮かびながら救助を待つことが可能です。

より詳しい内容は、以下の記事も参考にしてください。

核シェルター

避難所としても活用できる核シェルター

核シェルターは、核爆発による衝撃や放射能、放射線から身を守るために設計された特殊な避難設備です。

鉄筋コンクリートや特殊鋼材で作られており、ドアや換気口のすき間から有害物質が侵入しないように、高い気密性が保たれています。

また、内部にはベッドや簡易トイレ、ソファなどがあり、2週間程度の避難生活が可能なモデルも存在します。

核攻撃や放射線災害など、極めて特殊な事態に対する「家族の命を守る最後の砦」といえるでしょう。

【関連記事】
核シェルターについて|HANARE

災害用シェルターの主なタイプ

災害用シェルターは、設置場所や利用シーンによっていくつかのタイプに分かれます。

ここでは代表的なタイプと特徴を紹介します。

屋内設置型

シェルター

屋内設置型は、部屋の空きスペースや押し入れなどに組み込むタイプや、工事不要でそのまま設置できるタイプなどがあります。

家の中に設置できるため避難までの移動距離が短く、高齢者や小さな子どもがいるご家庭でも、安全に素早く避難できるのが大きなメリットです。

設置場所や形状に応じてカスタマイズ可能なものもあり、通常時は休憩スペースとしても活用できます。

生活環境を変えることなく、非常時にも役立つのが魅力です。

地上型

地上型シェルター

地上型は、家の庭や敷地内に設置するタイプです。

鉄筋コンクリートや特殊な鉛・鋼板が用いられるのが一般的で、地震や台風、竜巻、放射性物質などのさまざまな災害から、自分や家族を守ることができます。

地上に設置するため、閉じ込められるリスクが低く、通気性が高いことから湿気やカビの発生も抑制できます。

普段は物置や趣味の小屋としても活用できる点も大きなメリットです。

地下型

核シェルター

地下型は、地面の下に埋没するタイプで、地震やミサイル攻撃、放射線など、さまざまな災害に強いのが特徴です。

特に核シェルターは地下型が主流で、外部からの衝撃や有害物質を防ぐ構造になっています。

設置には費用と時間がかかりますが、一度設置すれば外観上ほとんど目立つことがなく、家の景観を損ないません。

換気装置や空調設備、トイレなどを装備しているモデルも多く、長期滞在に対応した本格的な避難設備です。

ベッド型・テーブル型

ベッド型シェルター

ベッド型は、ベッドの上部に頑丈なフレームを設置したタイプです。就寝時に地震があっても、家具の落下や建物の倒壊から身を守ることができます。

比較的安価なため、導入しやすいのも大きなメリットです。

テーブル型は、内部に鉄筋を埋め込んだテーブルのことです。通常のテーブルよりも頑丈な設計のため、万が一の際に下に潜り込むことで建物の倒壊から身を守ることができます。

普段はテーブルとして使用できるため、生活空間を圧迫せず、必要なときだけ防災用として使うことができます。

どちらのタイプもスペースを有効活用でき、普段使いできるよう設計されています。

テント型

テント型シェルター

テント型シェルターは、緊急時に素早く設置できる避難用の簡易テントです。

避難先の体育館や公民館などでプライバシーを守る手段として利用されることが多く、短期間の避難生活で活躍します。

ただし、地震や衝撃への耐性は限られており、本格的な災害用シェルターとしての役割はあまり期待できません。

災害用シェルターの価格相場

災害用シェルターの価格は、タイプや性能によって大きく異なります。

代表的なタイプごとの一般的な相場を、わかりやすく表にまとめました。

タイプ 本体価格相場
屋外設置型 400万〜800万円
地上型 700万〜1,500万円
地下型 2,000万〜3,000万円超
ベッド型・テーブル型 20万〜80万円
テント型 5万円〜

 

なお、耐震シェルターや核シェルターの場合、本体価格のほかに設置費用がかかる点に注意しましょう。

設置費用は搬入経路や搬入場所の状態によっても異なるので、事前に見積りをもらって総額を確認することが大切です。

シェルターの費用相場については、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

耐震シェルターは自治体の補助金制度を利用できる場合も

災害シェルターの中でも耐震シェルターを設置する場合、自治体によっては「耐震改修工事」として補助金の対象になることがあります。

補助金の額は地域や制度によって異なりますが、数十万円単位で支援を受けられるケースも少なくありません。

耐震シェルターの導入を検討する際は、お住まいの自治体の窓口に問い合わせて詳細を確認することをおすすめします。

災害用シェルターを検討する際のポイント・注意点

災害用シェルターを検討する際は、導入後に「想定と違った」と後悔しないために以下のポイントを押さえておきましょう。

「何に備えるか」を明確にする

災害用シェルターは、それぞれ対応できる災害が決まっています。

そのため、自宅が海の近くなら津波に備えた津波シェルター、米軍基地や重要施設が近いなら核シェルターなど、リスクに合わせた選択が必要です。

「とりあえず安全のために」という漠然とした考えではなく、「何から家族を守りたいのか」を明確にしたうえでシェルターを選びましょう。

予算に合ったシェルターを選ぶ

シェルターの価格はタイプによって大きく異なり、数百万円ほどの手頃なものから、数千万円にのぼる本格的なシェルターまでさまざまです。

また、導入時の費用だけでなく、定期的なメンテナンスや換気設備の点検など、維持費もかかるため、最終的なコストを考慮して計画を立てることが大切です。

あらかじめ予算の上限を決め、その範囲で最適なシェルターを選びましょう。

設置スペースに考慮する

室内設置型・地上型・地下型のシェルターは、設置するためにある程度のスペースが必要です。

敷地の広さや家の間取りによっては設置が難しい場合もあるため、事前にシミュレーションしておきましょう。

特に屋内タイプのシェルターを検討する際は、日常生活の動線を妨げないかも確認しておくことが大切です。

家族が普段よく通る場所や家具の配置、通路の幅などを考慮して選びましょう。

信頼できるメーカー・販売店から購入する

シェルターは「いざというときに本当に役立つかどうか」が最も重要です。

耐久性や安全性が不十分なものでは、万が一のときに危険から身を守ることができません。

そのため、購入する際は、施工実績や導入事例を確認し、信頼できるメーカーや販売店を選びましょう。さらに、アフターサービスの有無なども事前に確認しておくと安心です。

信頼できるメーカー・販売店の見極め方については、以下の記事でも解説しているので、あわせて参考にしてください。

まとめ|災害シェルターでお悩みならHANAREにご相談を

災害シェルターは、耐震・津波・核といったさまざまな災害から身を守れる施設です。

ただし、決して安い買い物ではないため、信頼できるメーカーや販売店に相談し、自分や家族に合った最適なシェルターを選ぶことが大切です。

HANAREでは、耐震・核シェルターなど多様なタイプの製品を取り扱い、ご家庭の状況やご要望に合わせた最適なプランをご提案しています。

災害用シェルターの導入について少しでも不安や疑問があれば、ぜひ一度ご相談ください。

 

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