2025.08.26

Jアラートが鳴ったらどこに避難すべき?対処法やよくある疑問を解説

核シェルター
災害シェルター
Jアラートが鳴ったらどこに避難すべき?

「Jアラートが鳴ったときはどう対処すればいいの?」

「そもそもJアラートはどんなときに鳴るの?」

Jアラート(全国瞬時警報システム)は、有事の際に身を守るきっかけとなる重要なシステムです。

しかし、運用開始から20年近く経った今なお、Jアラートが鳴ったときにどこへ避難したらいいのかがわからない方は多いのではないでしょうか。

また、Jアラートが鳴る条件やどんなときに鳴るのかはあまり認知されていません。

そこで本記事では、Jアラートが鳴ったときの避難方法やJアラートが鳴る条件などを詳しく解説します。

そのほか、有事に備えるためのポイントも紹介しているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

そもそもJアラート(全国瞬時警報システム)とは?

Jアラートが鳴る携帯

Jアラートとは、弾道ミサイルの発射や地震・津波をはじめとした自然災害などによって切迫した危険が発生した際に、国から住民へ緊急情報を瞬時に伝達するシステムのことです。

消防庁が定める全国瞬時警報システム業務規程によると、以下のような情報について伝達が行われると定められています。

第四条 消防庁は、人工衛星及び地上回線を経由して次の各号に掲げる情報を送信する。

 一 弾道ミサイル情報

 二 航空攻撃情報

 三 ゲリラ・特殊部隊攻撃情報

 四 大規模テロ情報(事態対処法第二十二条第一項に規定する緊急対処事態であることの認定がなされた場合及びそれに準ずる場合に限る。)

 五 前各号に規定する情報のほか、緊急に住民に伝達することが必要な国民保護に関する情報

 六 緊急地震速報

 七 大津波警報

 八 津波警報

 九 噴火警報(居住地域)

 十 噴火速報

 十一 気象等の特別警報

 十二 東海地震予知情報

 十三 東海地震注意情報

 十四 震度速報

 十五 津波注意報

 十六 噴火警報(火口周辺)

 十七 気象等の警報

 十八 土砂災害警戒情報

 十九 竜巻注意情報

 二十 記録的短時間大雨情報

 二十一 指定河川洪水予報

 二十二 東海地震に関連する調査情報

 二十三 震源・震度に関する情報

 二十四 噴火予報

 二十五 気象等の注意報

引用元:全国瞬時警報システム業務規程|消防庁

Jアラートでは、防災無線やサイレンなどの警報、スマホのエリアメール、緊急速報メール、ラジオなどのさまざまな方法で情報発信が行われます。

また、24時間作動しており、住んでいる地域や時間帯に関わらず直ちに情報を得られる点が大きな特徴です。

Jアラートが鳴る条件

Jアラートが鳴る条件は「国民の安全に直結し、対処に時間的余裕がない緊急事態」が発生していることです。

具体的には、以下のようなケースが想定されます。

  • 弾道ミサイルの発射が確認されたとき
  • 航空攻撃の可能性があるとき
  • ゲリラ・特殊部隊攻撃の可能性があるとき
  • 大規模テロの危険が及ぶ可能性があるとき
  • 震度5弱以上または長周期地震動階級3以上の強い地震が予測されたとき
  • 大津波警報・津波警報が発令されたとき
  • 警戒レベルの高い火山噴火があったとき
  • そのほか大規模な自然災害や武力攻撃が想定されるとき

Jアラートは緊急事態にのみ作動するため、警報が鳴った際には迷わず速やかに避難することが重要です。

Jアラート・Lアラート・国民保護サイレンの違い

Jアラートによく似たものとして、Lアラートや国民保護サイレンなどが挙げられます。

Jアラート・Lアラート・国民保護サイレンは、いずれも安全確保に役立つ情報伝達手段ですが、それぞれに以下のような違いがあります。

名称 主な役割 対象範囲 伝達手段
Jアラート 国民全体への緊急警報 全国 防災無線、携帯緊急メール、テレビなど
Lアラート 地域住民向けの災害・避難情報 地域ごと テレビ(L字放送)、ネット、ラジオなど
国民保護サイレン 武力攻撃時などの警鐘 地域ごと サイレン音、防災行政無線

Jアラートは国民全員を対象に、さまざまな媒体を使って情報発信するためのシステムです。

一方、Lアラートは集中豪雨や避難所の開設状況など、地域ごとの災害・避難情報を地方自治体が発信します。

また、国民保護サイレンは、武力攻撃発生時などにサイレン音を流し、直接住民へ危険を知らせるための警報音です。

それぞれのシステムは連動しており、同じ情報が複数の媒体から発信されることもあります。

Jアラート発令時はどこに避難する?まずは身を守る行動を

Jアラートが鳴るのはただならぬ危険が迫っていることを意味しますが、実際にアラートが鳴ったときはどこへ避難すればよいのでしょうか。

ここでは、Jアラート発令時の避難方法について、避難の前提と合わせて解説します。

Jアラート発令からミサイル着弾までは「数分」しかない

時計

前提として、仮に弾道ミサイルなどが原因でJアラートが鳴った場合、発令からミサイル着弾までは「数分」しかありません。

実際、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが約1,600km離れた沖縄県周辺まで、約10分で通過したこともあります。

そのため、「Jアラートが鳴っているけど、周りの人の動きを見てから避難しよう」と考えるのは危険です。Jアラートが鳴っているのに気がついたら、一刻も早く身の安全を確保しましょう。

屋外にいる場合は近くの建物に避難

近くにある建物に避難

Jアラート発令時、屋外にいる場合は直ちに近くの建物に避難してください。

頑丈な建物の中に入れば、弾道ミサイルの爆風や破片などの直接的な危険から身を守れるため、安全性が格段に高まります。

具体的には、コンクリート造りの建物や地下街・地下駅舎などの地下施設に避難するのが理想的です。

近くに建物がなければ、物陰に隠れたり、地面に伏せて頭部を守ったりするようにしましょう。

屋内にいる場合は窓から離れる

窓

Jアラートが発令されたときに屋内にいる場合は、窓から離れることが大切です。

建物の近くにミサイルが着弾すると、爆風や衝撃でガラスが割れ、破片が飛び散る危険があります。

衝撃によってガラス片が飛んでくると、建物の中にいても重大なケガを負う可能性を否定できません。

すぐに移動できる状況であれば、窓のない部屋に避難することをおすすめします。

国が指定する避難施設

国指定の避難場所の例

Jアラートが鳴ったときは、可能な限り、国が指定する避難施設に移動してください。

国の指定避難先には、コンクリート造りの堅ろうな建築物や地下施設などがピックアップされているため、比較的安全性が高いといえます。

各地域の避難先は、内閣官房の国民保護ポータルサイトで確認できるので、生活圏にある施設だけでも頭に入れておきましょう。

【参考】避難施設|内閣官房国民保護ポータルサイト

自宅や会社に設置されたシェルター

耐震シェルターに避難している様子

自宅や会社に避難シェルターが設置されている場合、Jアラートが鳴ったら速やかにシェルターへ避難してください。

シェルターは、外的な侵害を防ぐために設計された頑丈な防護施設です。

ミサイルによる爆風・破片・熱線や自然災害などの猛威にも耐えられるので、命を守れる可能性が飛躍的に高まります。

有事に備えてシェルターの設置を検討しよう

シェルター

Jアラートが鳴ったとき、避難するまでの猶予時間は数十秒~数分程度しかないケースも少なくありません。

実際、Jアラート発令から災害発生までの時間は、緊急地震速報で数秒〜数十秒程度、ミサイル発射時で数分程度とされています。

そのため、万が一に備えるのであれば、自宅や会社にシェルターの導入を検討するのがおすすめです。

自宅にシェルターがあれば、小さな子どもや高齢者がいるご家庭でも、速やかに避難ができます。

また、都心部では大勢が一斉に避難をすることで、スムーズな移動が難しい可能性も。避難の際に家族とはぐれてしまうおそれもあるでしょう。

その点、自宅内のシェルターで避難生活ができれば、外が安全な環境になるまで家族全員で安全に過ごすことができます。

近年では、地下や地上、室内に設置可能な小型シェルターが登場しており、比較的手軽に導入が可能です。

なお、HANAREでは、シェルター販売実績で日本シェア No.1​を誇るWNI社の製品を取り扱っています。

ご希望や予算、家族構成などに合わせて最適なシェルターをご提案させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。

Jアラートが鳴ったときの避難先に関するQ&A

最後に、Jアラートが鳴ったときの避難先に関してよくある質問に回答します。似たような疑問をお持ちの方は、ぜひここで解消しておきましょう。

Jアラートが鳴ったときに車や電車に乗っている場合は?

Jアラートが鳴った際に車に乗っている場合は、まず安全な場所に車を停車させてください。

ミサイルや自然災害に巻き込まれると、ガソリンに引火するおそれがあるからです。

停車したら速やかに車から降りて、近くの頑丈な建物や地下施設に避難しましょう。

高速道路上などの周囲に避難できる建物がない場所にいる場合は、車から離れたところで地面に伏せて、頭部を守ってください。

また、電車内でJアラートが鳴った場合は、窓から離れた中央付近に移動し、姿勢を低くすることが大切です。

ミサイルが落下・通過した後はどうすべき?

ミサイルが落下・通過した後は、落ち着いて情報を集めることに専念しましょう。

政府や自治体からの最新情報は、テレビ・ラジオ・インターネットなどで随時確認できます。

続報を待ち、避難解除や別の避難指示に従ってください。

なお、避難先で不審な物を見かけても絶対に近づかず、すぐに警察や消防に通報するようにしましょう。

Jアラートの音はどんな音ですか?

Jアラートの音は、警報の内容に応じて異なります。

音を使い分けることによって、住民が即座に状況を把握し、適切に行動できるようにしているのです。

によると、警報内容ごとのアラートの内容は以下のようになっています。

緊急情報の種類 音声メッセージの内容 音声リンク
ミサイル発射 ミサイル発射。ミサイル発射。ミサイルが発射されたものとみられます。

建物の中、又は地下に避難してください。

音声リンク
緊急地震速報 緊急地震速報。大地震(おおじしん)です。大地震です。
大津波警報 大津波警報。大津波警報。東日本大震災クラスの津波が来ます。

ただちに高台に避難してください。

音声リンク
津波警報 津波警報が発表されました。海岸付近の方は高台に避難してください。 音声リンク
噴火警報 ただいま、噴火警戒レベル4高齢者等避難が発表されました。

これは特別警報です。テレビ、ラジオの情報に注意し、避難の準備をして下さい。

音声リンク
噴火速報 噴火速報、噴火が発生しました。山の近くにいる方は、ただちに身の安全を図ってください。 音声リンク
大雨特別警報 当地域に、大雨特別警報が発表されました。

周囲の状況をみて、避難行動をとってください。

音声リンク

【参考】全国瞬時警報システム(Jアラート)の概要|総務省消防庁

なお、実際の音声は自治体や地域によって異なる可能性があるので注意してください。

過去にミサイル発射でJアラートが鳴った事例を教えてください

平成19年に運用が始まってから、ミサイル発射でJアラートが鳴った回数は11回です。

具体的には、以下のタイミングでJアラートによる情報伝達が行われています。

  • 平成24年12月12日
  • 平成28年2月7日
  • 平成29年8月29日
  • 平成29年9月15日
  • 令和4年10月4日
  • 令和4年11月3日
  • 令和5年4月13日
  • 令和5年5月31日
  • 令和5年8月24日
  • 令和5年11月21日
  • 令和6年5月27日

これらに加えて地震や津波などのJアラートを含めると、Jアラートが鳴るのはそれほど珍しいものではないともいえます。

しかし、逆に言えば国民の命をおびやかすほどの危険は案外身近にあるということでもあります。

そのため「またJアラートが鳴ってるけど、いつも何もないから大丈夫」と考えず、いつでも身を守れるように、日ごろから避難の流れをシミュレーションしておくことが大切です。

国民保護サイレンが鳴ったら終わりは本当ですか?

国民保護サイレンが鳴ったからといって、「もう終わり」と考えるのは誤解です。

国民保護サイレンは危険が迫っていることを知らせ、速やかな避難行動を促すために鳴らされるものです。

つまり、国民保護サイレンが鳴ったときこそ安全確保に着手するべきタイミングといえます。

ミサイルが発射されている場合は短時間で日本に飛来する可能性が高いので、迅速な避難を心がけましょう。

まとめ|Jアラートの避難に備えるならHANAREにご相談を

Jアラートは弾道ミサイルや地震、津波、噴火など、災害発生までの時間が非常に短い緊急事態に対応するための警報システムです。

Jアラートが聞こえたときは、迅速に安全確保を行いましょう。

しかし、自宅での安全確保には限界があるのも事実です。

そのため、有事の際に備えるのであれば、シェルターを導入することも検討してください。

日本におけるシェルターの導入率は0.02%と世界的に見ても低いですが、近年では手軽に設置できる製品も増えています。

防音性に優れたシェルターを選べば、シェルターとしてはもちろん、普段はカラオケやホームシアターなどを楽しむスペースとして活用することも可能です。

なお、HANAREでは、耐震・耐水・防爆などさまざまな災害から命を守るシェルターをラインナップしています。

シェルターの詳しい性能やカスタマイズに関する相談も随時受け付けているので、お気軽にお問い合わせください。

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