核シェルターの材質は何?コンクリートが使われる理由や必要な厚さについて解説

近年、国際情勢の変化や有事リスクの高まりから注目が集まる核シェルター。
万が一の際に命を守れる堅牢な造りが特徴ですが、実際のところどんな材質・素材でできるのかが気になる方は多いのではないでしょうか?
ネット上では「核シェルターは意味がない」という意見もあり「本当に大丈夫なの?」と不安を感じている方もいるかもしれません。
そこで本記事では、核シェルターの主要な材質とその理由、安全性に関わる構造や設備、性能について詳しく解説します。
核シェルターの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
核シェルターの材質は?
核シェルターの材質は、コンクリートや鉄筋コンクリートが中心ですが、そのほかにも放射線遮蔽効果を高める鉛や鋼板なども使用されています。
複数の素材を組み合わせることによって、爆風や衝撃波、熱、放射線といった複合的な脅威への防御性能を高めることが可能です。
核シェルターにコンクリートや鋼板、鉛が使われる理由
核シェルターにコンクリートや鋼板、鉛が用いられるのは、いずれも放射線を効果的に遮断できる材質だからです。
シェルターが想定する脅威は、ガンマ線やX線、中性子線といった強力な放射線であり、これらを遮蔽する性能が求められます。
中でも中心となるのはコンクリートで、ガンマ線や中性子線を防ぎつつ比較的安価に施工できる点が強みです。厚みを増すことで性能は高まりますが、スペースやコストに限界があるため、鋼板や鉛を組み合わせて遮蔽力を補強します。
また、鉛はガンマ線やX線を効率的に吸収し、中性子線を浴びても放射化しにくい特性を持っています。鋼板も高い遮蔽力を備えており、耐久性や強度の面でシェルターを補強します。
これらの材質を適切に組み合わせることで、外部からの放射線を効果的に防ぎ、シェルター内の安全を確保しているのです。
放射線の遮蔽には厚さ60cmのコンクリートが必要
放射線の中でもとりわけ透過力の強いガンマ線を遮断するには、およそ60cmのコンクリート壁が効果的とされています。
これにより、内部に届く放射線量を大幅に減らすことが可能です。なお、コンクリート厚による遮蔽効果は、放射線が物質を通過する際にエネルギーを吸収・減衰する原理に基づいています。
壁が厚ければ厚いほど放射線が通過する距離が長くなり、その分エネルギーが吸収され、最終的に内部への影響を抑えられる仕組みです。
そのため、シェルターにおいてはコンクリートの十分な厚さを確保することが、安全性を高めるうえで欠かせない条件といえるでしょう。
核シェルターの材質はタイプによって異なる場合も
核シェルターに使われる材質は、シェルターのタイプや設置環境によって異なります。
地下型・地上型・屋内設置型など、それぞれが直面するリスクや必要な性能が違うため、選ばれる素材にも特徴があるのです。
たとえば地下型シェルターでは、土圧や水圧に耐える強度が必須となるため、鉄筋コンクリートを厚く施工したり、鋼材を組み合わせる構造が重視されます。
一方、地上型や屋内設置型では、主に放射線遮蔽性能を確保することが目的となり、鉛や鋼板など遮蔽力に優れた材質が中心に使われるケースもあります。
このように、シェルターの設置場所や目的によって必要な性能が変わるため、結果として採用される材質にも違いが生じるのです。
WNI社の核シェルターに使われている素材
HANAREで取り扱っているWNIの核シェルターは、いかなる状況下でも利用者の安全を最優先に考え、最高水準の保護性能を実現するために、厳選された素材を用いて製造されています。
各製品ごとに使われている材質は、以下のとおりです。
製品名 | 材質 |
最後の砦 | コンクリート・鉛・鉄筋コンクリート |
令和の要塞 サバイブ | コンクリート・鉛・鉄筋コンクリート |
地下用設置型核シェルター/ミサイル対応シェルター | コンクリート・鉛・鉄筋コンクリート |
「最後の砦」は、高い遮蔽性能と耐久性を両立させるために、コンクリート・鉛・鉄筋コンクリートといった素材を組み合わせた構造を採用しています。放射線や衝撃から長期的に利用者を守れるよう、複合的な素材設計が施されています。
同様に「令和の要塞 サバイブ」も、外部からの脅威に対する防御力を追求し、コンクリート・鉛・鉄筋コンクリートを主要材質としています。過酷な状況下でも性能を維持できるよう、素材選びには徹底したこだわりがあります。
さらに、防護扉はスチール製・ステンレス製・コンクリート製から選択可能で、用途や環境に応じて柔軟にカスタマイズできます。
また、「地下用設置型核シェルター/ミサイル対応シェルター」は、地下環境やミサイル攻撃といった極めて強力な脅威に耐える設計が特徴です。地圧や衝撃に耐えられる強固な構造と、放射線遮蔽性能を最大化する素材配合によって、極限の状況でも安全性を確保しています。
これらの製品については、HANAREでご説明・ご提案が可能ですので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
核シェルターは材質以外にも構造・設備・性能が重要
核シェルターの安全性は、使用されている材質だけで決まるものではありません。
外部からの脅威を効果的に遮断し、内部の居住者が長期間安全に過ごすためには、以下のような要素も重要になります。
- 構造
- 設備
- 性能
ここからは、核シェルターに求められる構造や設備、性能について詳しく見ていきましょう。
核シェルターに求められる構造
核シェルターの構造は、外部からの物理的な脅威に耐え、内部の安全を確保するために、多岐にわたる要件を満たす必要があります。
具体的に求められる構造は以下のとおりです。
構造 | 役割 |
強固な鉄筋コンクリート構造 | 外部からの衝撃や圧力に耐え、高い耐圧性能を確保します。 |
高い気密性 | 放射能や化学兵器の侵入を防ぐために、外気を完全に遮断します。 |
非常用設備の設置 | 外部への脱出や、新鮮な空気の取り入れを可能にし、生存率を高めます。 |
核シェルターの構造設計については、「核シェルターに求められる構造|必要なスペースや設備についても解説」で詳しく解説しています。
また「核シェルターに求められる空調設備とは?重要な理由やエアコン型シェルターも紹介」では、空調設備を重点的に解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
核シェルターに求められる設備
核シェルターには、安全な空間を維持し、長期間の避難生活を可能にするために以下のような設備が求められます。
設備 | 役割 |
換気システム | 汚染された外気をろ過し、新鮮な空気を内部に取り込みます。 |
エアロック | 外部からの汚染物質が内部に侵入するのを防ぎます。 |
防火扉・水密扉・防塵扉 | 火災や浸水、粉塵の侵入を防ぎ、シェルター内を保護します。 |
発電システム | 外部電力に頼らず、シェルター内の設備を稼働させます。 |
トイレ・シャワーなどの生活設備 | 長期滞在中に衛生的な環境を保ちます。 |
シェルターの設備が正常に作動することで、外部環境が劣悪な状況下でも、安全な生活を送ることが可能です。
特に、核攻撃による汚染物質の侵入を防ぐためには、高度な換気システムやエアロックが大切です。
詳しくは「核シェルターに求められる空調設備とは?重要な理由やエアコン型シェルターも紹介」で解説していますので、あわせて参考にしてください。
核シェルターに求められる性能
核シェルターの性能とは、その材質、構造、設備が総合的に発揮する防御能力や、居住性を示すものです。
シェルターに求められる性能として、以下が挙げられます。
性能 | 役割 |
耐衝撃・防護性能 | 核爆発による衝撃波や爆風に耐え、内部空間を保護します。 |
気密性能 | 放射性物質や有毒ガスがシェルター内に侵入しないよう、内部を完全に密閉します。 |
陽圧維持性能 | 内部の気圧を外部より高くすることで、僅かな隙間から汚染された外気が侵入するのを防ぎます。 |
換気性能 | 高性能フィルターを通して、新鮮な空気を絶え間なく内部に供給します。 |
これらの性能を総合的に満たすことで、核シェルターは有事の際に、人々を確実に守る「最後の砦」となり得るのです。
さらに詳しい解説は、以下の関連記事もチェックしてみてください。
まとめ
核シェルターの安全性を語るうえで、その材質は極めて重要な要素ですが、それは安全性確保の一側面に過ぎません。
一般的には、コンクリート・鉛・鋼板といった放射線遮蔽能力に優れた素材が用いられる一方で、シェルターのタイプや目的に応じて最適な材質が選ばれます。
しかし、核シェルターの真価は材質だけでは決まりません。強固な構造、生命を維持するための設備、そして総合的な性能が備わってこそ、真の安全が確保されるのです。
なお、HANAREでは、国内No.1実績を誇るWNI社の核シェルターを取り扱っています。材質はもちろん、性能・設備・構造までシェルターに精通したスタッフが丁寧にご案内させていただきますので、わからないことがある方はぜひお気軽にご相談ください。