核シェルターに住むことはできる?世界の事例や日本で核シェルターに住む方法

核シェルターというと「有事の際に一時的に避難する施設」という印象を持っている方が多いでしょう。しかし、中には「実際に居住空間として使えるの?」と思う方もいるはずです。
実際、世界では日常的に住めるタイプの核シェルターも登場しており、単なる避難所ではなく、日常空間として活用されているものも少なくありません。
そこで本記事では、日本における核シェルターの現状を整理しながら、世界の「住める核シェルター」の事例や日本で導入する方法、検討時に知っておきたいポイントを紹介していきます。
「核シェルターを購入するなら、住めるような快適な空間にしたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。
核シェルターに住むことはできる?
結論から言えば、核シェルターに住むことは可能です。
実際、世界には居住を前提とした核シェルターが存在し、高級ホテルのような内装や生活設備を備えたものも登場しています。
ただし、日本国内では「住める核シェルター」の事例はほとんど見られません。そもそも日本における核シェルターの普及率は0.02%と非常に低く、シェルターそのものの数も少ないからです。
最近では、札幌の注文住宅メーカーなどで核シェルター付きの住宅の販売が開始されており、今後は徐々にシェルター付き物件が増えていく可能性もありますが、現状の選択肢は限りなく少ないということを覚えておきましょう。
世界の「住める」核シェルター事例
世界には、実際に住める核シェルターがいくつも登場しています。
ここでは、「住める核シェルター」の代表例として以下2つを紹介します。
- Survival Condo
- The Safe House
それぞれの設備や内装などについて、詳しく見ていきましょう。
Survival Condo
Survival Condoは、アメリカで核シェルターの設計・建造を行う企業です。
居住可能な核シェルターとして、「フルフロアユニット」や「ハーフフロアユニット」といったタイプを展開しています。
「フルフロアユニット」は6〜10名ほど収容可能な広いスペースがあり、ベッドルームが3室、バスルームが2室に加え、キッチン、ダイニングルーム、リビングルームが完備されているのが特徴です。
一見すると普通のマンションのような内装・設備で、日常的な生活を送りながら核攻撃に備えることができます。
「ハーフフロアユニット」は3〜5名の収容が可能で、ベッドルームが1室または2室、バスルーム1室に、キッチンとリビングルームが完備されています。
いずれも高級ホテルのような内装と設備が整えられており、快適に過ごすことが可能です。
なお、ユニット価格はフルフロアで300万ドル(約4億4,000万円)、ハーフフロアは150万ドル(約2億2,000万円)となっています。
そのほか、Survival Condoではペントハウス型や地下施設型の核シェルターなどを展開しており、どれも避難目的だけでなく居住空間として利用可能です。
The Safe House
The Safe Houseは、ポーランドにある地上型の核シェルター住宅です。
通常時は大きな窓から自然光が差し込むモダンな邸宅として居住でき、有事の際にはコンクリートブロックで外壁を閉じることで要塞化します。
周りは開放的で、緑に囲まれているのもThe Safe Houseの魅力のひとつ。プールや屋外シアターも設けられていて、ラグジュアリーな空間を楽しめます。
日本で核シェルターに住む方法
ここからは、日本で核シェルターに住む方法として、以下2つを紹介します。
- 家庭用の核シェルターを設置する
- 核シェルター付きの物件に住む
日本で核シェルターに住むのは簡単ではありませんが、現実的に不可能というわけでもありません。以下の方法を参考に、実現可能かどうかを検討してみてください。
家庭用の核シェルターを設置する
核シェルターに住む方法として最も現実的なのは、自宅の地下や庭に家庭用の核シェルターを設置する方法です。
特に、地下埋設型の核シェルターはベッドルーム、書斎や仕事部屋として利用できるものも多く、住宅内の一部の居住空間として使うことができます。
なお、HANAREが取り扱うWNI社の地下型核シェルターは、収容人数やご希望の用途に合わせてカスタマイズが可能です。
もちろん、高い耐久性と高性能な換気システムも備えているので、万が一の際には、家族を守る避難空間としても機能します。
核シェルター付きの物件に住む
日本国内の事例はまだ少ないものの、近年では地下にシェルターを組み込んだ注文住宅も登場しています。
例えば、札幌の住宅メーカー「ハウジングオペレーションアーキテクツ」では、地下に核シェルターを備えた注文住宅の販売を開始。コンセプトハウスも公開しており、核シェルターを備えた住宅での暮らしを体験することができます。
このような核シェルター付き物件は現状では希少な存在ですが、社会情勢の変化や防災意識の高まりによって、今後は需要が徐々に拡大していく可能性があるでしょう。
【参考】地下核シェルター付コンセプトハウス初公開!!4/21(金)グランドオープン丨ハウジングオペレーションアーキテクツ
核シェルターは「住めるか」より「万が一に備えられるか」が大切
核シェルターは本来、日常的に快適に暮らすことを目的としたものではなく、有事の際に命を守るための設備です。
豪華な内装や居住性が整っていても、爆風や放射線、放射性降下物(フォールアウト)から住人を守れなければ意味がありません。
そのため、大切なのは「住めるかどうか」ではなく、「万が一に備えられるか」です。
外部からの衝撃に耐えられる堅牢な構造や、放射性物質・有害ガスを遮断する換気システム、独立した電源や水源の確保といった要素こそが、シェルター選びの判断基準となります。
核シェルターに求められる性能や耐久力などについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
核シェルターに関するよくある質問
核シェルターを検討するとき、多くの方が気になるのが以下のようなポイントです。
- 核シェルターが日本で普及していないのはなぜ?
- 核シェルターの導入費用はいくら?
- そもそも核シェルターは本当に意味があるの?
ここでは、これらの疑問について回答していきます。似たような疑問をお持ちの方は、ぜひここで解消しておきましょう。
日本で核シェルターが普及していない理由は?
日本では核シェルターの普及率がわずか0.02%と非常に低いのが現状です。
その理由として考えられるのは、国が防災シェルターの設置を制度的に支援してこなかったこと、土地が狭く住宅事情が厳しいこと、そして「核攻撃は現実的ではない」という意識の低さが挙げられます。
また、欧米と日本の安全保障の考え方には違いがあることも、核シェルターが普及してこなかった要因として考えられます。
しかし、現在では台湾有事やウクライナ戦争など、世界情勢の変化によって日本における核シェルター整備の重要性も高まっています。
実際、沖縄などの一部の地域では避難シェルターの設備計画が進んでいるほか、政府も「武力攻撃を想定した避難施設(シェルター)の確保に係る基本的考え方」を発表しており、今後は核シェルターの整備が進んでいく可能性があるでしょう。
核シェルターの導入にかかる費用は?
核シェルターの費用は、タイプや規模によって大きく変わります。
家庭用の室内設置型であれば数百万円から導入でき、地下に埋設するタイプや大型のシェルターでは数千万円規模になることも珍しくありません。
以下は、HANAREで取り扱っている核シェルターを参考にしたタイプ別の費用目安です。
タイプ | 材質 | 価格目安 |
地下型 | 鉄筋コンクリート造 | 2,000万〜3,000万円超 |
地上型 | 鉄筋コンクリート・鉄・高強度鋼・鉛など | 700万〜1,500万円 |
屋内設置型 | 鉄筋コンクリート・鉄・高強度鋼・鉛など | 400万〜800万円 |
エアコン型 | – | 150万〜300万円 |
なお、核シェルターを導入する際は、シェルターの本体価格のほかに、設置費用がかかる点に注意しましょう。
設置費用は搬入経路や設置場所の状態によっても異なるので、必ず事前に見積もりを依頼し、総額を確認することが大切です。
核シェルターの値段については、以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
核シェルターは意味がないと言われるのはなぜ?
核シェルターについて調べると「意味がない」という声を目にすることがあります。
その理由としては、以下のような点が挙げられます。
- シェルターにいるからと言って100%安全なわけではない
- 放射能対策には限界がある
- 近くにいなければ避難できない
- 実際に使われた実績がない
確かに「核シェルターがある=100%安全」というわけではありません。
しかし、核シェルターは爆風や衝撃に耐えられる設計がされており、放射線、放射性降下物から一定期間身を守ることができます。核シェルターがあるのとないのとでは、生存率に大きな差が出るのは間違いないでしょう。
なお、核シェルターには意味がある根拠については、以下の記事でも詳しく解説しています。「導入前にメリットを知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
まとめ|家庭用核シェルターでお悩みならHANAREにご相談を
本記事では、核シェルターに住むことはできるのかという点について、日本の現状や世界の事例を紹介しながら解説しました。
世界には豪華で居住性の高い核シェルターが存在しますが、日本で現実的に導入できるのは、家庭用シェルターやシェルター付き住宅に限られています。そのため、「核シェルターに住む」という点で見ると選択肢は少ないでしょう。
しかし、核シェルターを導入する際に大切なのは「住めるかどうか」ではなく、爆風・放射線・放射性降下物から家族を守れるかどうかという性能面です。
なお、HANAREが取り扱うWNI社の核シェルターは、堅牢な構造と、設置場所や用途に合わせて柔軟にカスタマイズできる柔軟性を兼ね備えています。また、導入した核シェルターは、普段は書斎や防音室としても使えるため、日常と有事の両方で役立つでしょう。
「どんなシェルターが良いのかわからない」という場合でも、ご希望や予算をヒアリングのうえで、最適なプランをご提案させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。