2025.09.13

核シェルターの設置に必要な工事とは|費用や期間、施工会社の選び方も解説

核シェルター
核シェルターの設置工事

核シェルターを設置しようと考えたときに、気になるのが「どんな工事が必要なのか」「費用や期間はどのくらいかかるのか」という点ではないでしょうか。

特に地下型や地上型の核シェルターは大規模な工事を伴うため、あらかじめ工程やコストを把握しておくことが重要です。

一方で、エアコン型や屋内設置型のように比較的簡易に導入できるタイプもあり、住宅環境や予算に応じて選択肢が広がっています。

本記事では、核シェルターの設置に必要な工事の内容から、費用・期間の目安、工事の流れ、施工会社選びのポイントまで詳しく解説します。

導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

核シェルターの設置に必要な工事とは?

核シェルターを設置する際には、一般的な住宅や倉庫の設置工事とは異なり、以下のような工事が必要になります。

  • 地盤調査・地盤改良
  • 基礎工事
  • 設置工事
  • 陽圧工事
  • 内装工事

ここからは、それぞれの工事内容について詳しく見ていきましょう。

なお、紹介する工事内容は、地上型の核シェルターで一般的に必要とされるものです。シェルターのタイプや施工会社によって具体的な工事内容は異なる点に注意しましょう。

地盤調査・地盤改良

地盤調査・地盤改良

核シェルターを安全に設置するうえで、最初に欠かせないのが地盤調査です。

地盤調査とは、地盤がどの程度の重さに耐えられるのかを調査する工程のこと。

地下型や地上設置型のシェルターは、重量が数トン以上になることも多いため、不安定な地盤にそのまま設置してしまうと沈下や傾斜、最悪の場合は倒壊のリスクにつながります。

そこで、設置前には必ず地盤調査が行われるのです。

調査の結果、地盤が弱いと判断された場合には地盤改良工事が必要になります。地盤改良工事とは、その名の通り地盤を改良する工事のこと。

核シェルターの設置に耐えられるだけの地盤を用意するために、「表層改良」や「柱状改良」といった方法によって、シェルター本体を安全かつ長期的に支えられる基盤を整えます。

地盤調査・改良はシェルターの安全性を左右する最重要工程であり、この段階を省略することはできません。

基礎工事

基礎工事

地盤調査・改良を終えた後に行うのが基礎工事です。

基礎工事は、シェルター本体を安定して設置するための土台をつくる工程のこと。核シェルターは重量が大きく、さらに地震や爆風といった強い外力を受ける可能性があるため、一般住宅よりも強固な基礎が求められます。

基礎工事の精度が不十分だと、長期利用時に沈下やひび割れが発生するリスクがあるため、核シェルターの性能を最大限に発揮させるためには基礎工事の品質が鍵となるでしょう。

なお、地下型のシェルターを設置する場合は、基礎工事の前に掘削工事が行われることになります。

設置工事

設置工事

基礎工事が完了したら、いよいよ核シェルター本体の設置工事に移ります。

地下型の場合は、掘削した空間にシェルターを搬入し、基礎部分と一体化させる作業を行います。大型のシェルターではクレーンを使用して慎重に設置するため、作業には高い精度と専門的なノウハウが必要です。

地上設置型の場合は、基礎の上にコンテナやユニット型のシェルターを据え付け、固定金具や溶接によって強固に固定します。

いずれの場合も、設置時には水平・垂直をミリ単位で調整し、荷重が均等にかかるように施工されます。

核シェルターの設置工事は、見た目以上に繊細な調整を必要とするため、施工経験の豊富な会社に依頼することが大切です。

陽圧工事

陽圧工事

核シェルターの安全性を高めるために欠かせないのが陽圧工事です。

陽圧とは、シェルター内部の気圧を外部よりも高く保つことで、外部から有害な空気が侵入しないようにする仕組みを指します。これにより、放射性降下物や有毒ガスなどが隙間から入り込むリスクを大幅に軽減可能です。

具体的には、換気システムにフィルターを設置し、外気を浄化して取り込むと同時に、送風機によって内部をわずかに高い気圧に保ちます。

その結果、ドアの隙間や通気口から外気が逆流することを防ぎ、シェルター内部の空気を清浄に維持できるのです。

陽圧工事は単なる空調設備ではなく、核シェルターの生命維持機能の中核といえる工事です。これが正しく施工されていなければ、シェルターの役割を十分に果たすことはできません。

そのため、陽圧工事が可能な施工会社を選ぶことが、シェルター導入の成否を分ける大切なポイントになります。

内装工事

内装工事

核シェルターの設置が完了した後に行うのが内装工事です。

具体的には、長期滞在を想定したトイレ・排水設備、照明、電源コンセントなどが整備されます。また、食料や水を備蓄するための収納スペースやベッド・簡易寝具の設置、防音・断熱処理なども内装工事の一環です。

これにより、数日〜数週間の避難生活においても必要最低限の生活環境を維持することができます。

大規模な工事を必要としない核シェルターも

核シェルターと聞くと「大規模な工事が必要」と思われがちですが、すべてのタイプが大掛かりな施工を要するわけではありません。

たとえば屋内設置型エアコン型のシェルターは、地下型・地上型と比べて大規模な掘削や基礎工事を必要とせず、比較的短期間で導入できるのが特徴です。

搬入の様子

実際、HANAREで取り扱っているWNI社の屋内設置型核シェルター「最後の砦」は、分割組み立て式を採用しており、1日~数日の短期間で設置できます。

エアコン型シェルター

また、エアコン型は既存の部屋に専用の換気装置を後付けするため、大規模な工事を必要としません。

大規模な工事を避けつつ現実的な防護手段を確保したい方には、屋内設置型やエアコン型のシェルターを検討してみましょう。

核シェルターの設置工事にかかる費用

核シェルターの設置に必要な費用は、タイプや規模、設置場所によって大きく異なります。

一般的には、500万円〜数千万円が目安とされ、地下に埋設するタイプほど工事の難易度が高く、費用も膨らむ傾向にあります。

工事費用には地盤調査・基礎工事・搬入・陽圧設備の設置・内装工事などの費用が含まれるため、最終的な総額は見積もりを取って確認することが重要です。

なお、HANAREで取り扱っているWNIの核シェルターについては、以下の価格から設置が可能です。

製品 タイプ 費用
最後の砦 屋内設置型 658万円~
令和の要塞サバイブ 地上型 738万円~
地下埋設型核シェルター/ミサイル対応シェルター 地下型 2,800万円~

「何に備えるか」や予算に合わせて、自分たちに合ったタイプを選びましょう。シェルター選びでお悩みの場合は、最適な設計やプランを提案させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

核シェルターの設置工事にかかる期間

核シェルターの設置工事にかかる期間は、シェルターのタイプや規模、設置環境によって大きく異なります。

あくまでも目安ですが、タイプごとの工事期間は以下のとおりです。

タイプ 工事期間の目安
地下型 5ヵ月〜6ヵ月程度
地上型 3ヵ月程度~
屋内設置型 1日~数日
エアコン型 数週間~1ヵ月程度

ただし、工事期間は「土地の状況」や「搬入経路」、「設置する規模や仕様」によって大きく変動します。

たとえば、都市部の狭小地や岩盤の硬い地域では、地盤改良や追加工事が必要となり、想定よりも長期化することもあるでしょう。

そのため、核シェルターを検討する際は、見積もり段階で工期の目安を必ず確認し、自宅や敷地の条件に応じたスケジュールを立てることが重要です。

核シェルターの工事までの流れ

核シェルター工事

核シェルターを導入する際には、ただ製品を購入するだけでなく、設置場所や周辺環境に合わせた工事の流れをしっかり把握しておくことが大切です。

ここでは、一般的な導入の流れを一例として紹介します。

  1. お問い合わせ・相談
    まずはメーカーや販売店に問い合わせを行い、導入の目的や希望する設置タイプ(地下型・地上型・屋内型など)を伝えます。
  2. 現地調査
    専門スタッフが敷地や建物を訪問し、以下のような点を確認します。
     ・設置予定場所の広さや形状
     ・アクセス性や工場からの距離
     ・搬入経路の有無
     ・地形や地盤の強度、地質条件
     ・近隣建物やインフラへの影響有無
  3. プランニング・見積もり
    現地調査の結果をもとに、最適なシェルタータイプや仕様を選定し、工事費用や工期を含めた見積もりを提示させていただきます。
  4. 契約・設計
    見積もりに納得したら正式に契約し、詳細な設計図面や施工計画を作成します。
  5. 工事開始
    地盤改良・基礎工事・設置工事・陽圧設備・内装工事といった工程を順次進めていきます。
  6. 完成・引き渡し
    工事が完了したら試運転や安全確認を行い、問題がなければ引き渡しとなります。

このように、核シェルターの工事は 「現地調査 → 設計 → 工事 → 引き渡し」 の流れで進みます。

工事までにも数ヵ月の期間がかかるケースもあるので、スムーズな導入を実現したいなら、早い段階から施工会社に相談するのがおすすめです。

核シェルターの工事を依頼する施工会社の選び方

核シェルター

核シェルターを導入する際、設置工事を担当するのは製造メーカーとは限りません。

多くの場合、メーカーが提供するのはシェルター本体のみであり、実際の設置工事は外部の施工会社が担当します。

そのため、安心して核シェルターを設置するためには、メーカー選びだけでなく、以下のような施工会社選びのポイントを押さえておくことが重要です。

  • これまでの工事実績が豊富かどうか
  • 陽圧工事ができるかどうか
  • 建築許認可を保有しているか
  • アフターフォローが充実しているか

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

これまでの工事実績が豊富かどうか

核シェルターの設置工事は、一般的な住宅工事やリフォームとは異なるノウハウが求められます。

そのため、施工会社を選ぶ際には、過去にどれだけ核シェルターや耐震シェルターなどの特殊設備を手がけてきたかを必ず確認しましょう。

実績が豊富な会社であれば、敷地条件に応じた適切な工法を提案できるほか、過去のトラブルや課題を踏まえた施工ノウハウを持っているため、安心して任せられます。

逆に、実績の少ない会社に依頼すると、工事中に想定外の問題が発生し、追加コストがかかるなどのトラブルになりかねません。

相談をする前に、施工会社のホームページから導入事例や顧客の声を確認しておくとよいでしょう。

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陽圧工事ができるかどうか

核シェルターの工事で特に重要なのが、陽圧工事に対応できるかどうかです。

陽圧工事とは、シェルター内部の気圧を外部よりも高く保つことで、放射性物質や有害ガスが隙間から侵入するのを防ぐ施工のこと。陽圧環境があることで、シェルター内部の空気が常に清浄に保たれ、長期間の避難生活でも安心して過ごすことができます。

しかし、陽圧工事には、高い気密性を保つ施工技術と、専用の換気・フィルター設備の設置ノウハウが不可欠です。

一般的な建築業者では対応が難しいため、陽圧工事の実績を持つ施工会社を選ぶことが極めて重要となります。

施工会社を選ぶ際には、過去に陽圧工事を手がけた実績があるかどうかを必ず確認し、必要に応じて現地調査や打ち合わせ時に詳しい説明を求めるようにしましょう。

建築許認可を保有しているか

核シェルターの設置は、通常のリフォームや小規模工事とは異なり、建築基準法や関連法規に基づく高度な施工が求められます。

そのため、施工会社が必要な建築許認可をきちんと保有しているかを確認することが重要です。

許認可を持たない業者に依頼してしまうと、工事そのものが違法となるリスクや、完成後に耐震性・安全性が不足しているといった問題が発生する可能性があります。

安全性を第一に考えるなら、信頼できる資格や許可を持つ施工会社を選びましょう。

アフターフォローが充実しているか

核シェルターは、一度設置して終わりではなく、定期的なメンテナンスや部品交換が欠かせない設備です。

特に換気フィルターや発電機、気密ドアなどは長期間放置すると劣化し、有事の際に本来の性能を発揮できなくなる可能性があります。

そのため、施工会社を選ぶ際には「工事後のアフターフォロー体制」が整っているかを必ず確認しましょう。

信頼できる施工会社であれば、定期点検のスケジュール提案・フィルター交換や消耗品の補充・緊急時の対応窓口など、継続的にサポートしてくれる体制を用意しています。

「施工後も相談できるか」「保守点検プランが用意されているか」を事前にチェックし、長期的に安心できるパートナーを選ぶことが大切です。

まとめ|核シェルターの導入でお困りならHANAREにご相談を

核シェルターの設置には、地盤調査・基礎工事・陽圧工事・内装工事など、専門性の高い工程が必要になります。

そのため、施工会社を選ぶ際は、工事実績の豊富さや陽圧工事への対応力、建築許認可の有無、さらにアフターフォロー体制までしっかり確認することが重要です。

HANAREでは、限られた敷地条件や予算に合わせた最適なシェルターをご提案し、設計から施工、保守点検まで一貫して対応しています。

「核シェルターを設置したいけれど、工事内容や費用が不安」「どのタイプを選べばいいのか分からない」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。有事に備えるために、全力でサポートさせていただきます。

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