2025.09.01

核シェルターに求められる4つの性能とは?命を守るために知っておくべき基礎知識

核シェルター
核シェルターに求められる性能

近年、台湾有事などの国際情勢リスクから、核攻撃や放射能汚染といった非常事態に備える手段として「核シェルター」が注目されています。

しかし、一口に核シェルターといっても、命を守るために必要とされる性能を備えていなければ十分に機能しません。

そのため、導入を検討する際には、「どんな性能があれば安心できるのか」を理解しておくことが大切です。

本記事では、核シェルターに求められる4つの基本性能をわかりやすく解説し、核被害から家族を守るための基礎知識を紹介します。

正しい知識を身につけて最適な核シェルターを選ぶために、ぜひ参考にしてください。

核シェルターに求められる4つの性能

核シェルター

核シェルターは、核攻撃や化学兵器・生物兵器による攻撃から身を守るために、特殊な性能を備えています。

中でも、核ミサイルなどによる攻撃が予想される場合は、以下のような性能が不可欠です。

  • 耐衝撃・防護性能
  • 気密性能
  • 陽圧維持性能
  • 換気性能

まずは、それぞれの性能について詳しく見ていきましょう。

耐衝撃・防護性能

地上設置型の核シェルター

核シェルターにおいて最も基本となるのが、爆風や衝撃から居住者を守る「耐衝撃・防護性能」です。

核爆発が起きた際には、想像を超える爆風や衝撃波が建物を一瞬で倒壊させる可能性があります。そのため、シェルターは鉄筋コンクリートや特殊鋼材を用い、通常の住宅よりもはるかに強度の高い構造で設計されていなければなりません。

また、外壁の厚さも衝撃を分散させて倒壊を防ぐためには非常に重要です。具体的には、厚さ30cm以上の外壁があることで、ミサイルなどによる爆風からも身を守ることができます。

核シェルターを選ぶ際には、まずこの防護性能がどの程度備わっているかを確認するようにしましょう。

なお、HANAREで取り扱うWNIの核シェルターは、20cmから150cmまでのコンクリート厚に対応しています。ご希望や予算に合わせて、適切な防護性能を備えたシェルターをカスタマイズできますので、ぜひお気軽にご相談ください。

気密性能

気密性の高い核シェルター

核シェルターには、爆風や放射線だけでなく、有害なガスや放射性物質の侵入を防ぐための「気密性能」が求められます。

核爆発後には放射性降下物(フォールアウト)や有毒ガスが空気中に広がる可能性が高く、建物のわずかな隙間からでも侵入すれば命に関わります。

そのため、シェルター内部を外気から遮断できるよう、気密性の高い構造が必要です。

具体的には、扉や窓枠に特殊なシーリング材を使用したり、二重扉によるエアロック構造を採用したりするケースもあります。

核爆発後に安全な避難生活を送るには、こうした気密性能を確保し、内部の空間を安全に保つことが欠かせません。

核シェルターを導入する際は、この性能の有無が生命維持に直結する点を理解しておきましょう。

陽圧維持性能

陽圧機能

核シェルターの安全性を高めるうえで重要なのが「陽圧維持性能」です。

陽圧とは、シェルター内部の気圧を外部よりも高く保つ仕組みのことを指します。これにより、万が一わずかな隙間が生じても、外気が侵入するのではなく、内部の空気が外へ押し出されるため、有害なガスや放射性物質が入り込みにくくなります。

特に核爆発後はフォールアウトや化学物質が周囲に拡散するため、単なる気密性だけでは完全な安全は確保できません。

その点、陽圧システムを備えたシェルターであれば、換気装置から常に清浄な空気が供給され、内部環境を清潔に維持できます。

なお、陽圧性能を確認する際は「避難後、何分で陽圧環境をつくれるか」を確認することも大切です。

なぜなら、ミサイルなどの脅威が迫っていることを知らせるJアラートが鳴った場合、避難からミサイル着弾までの時間は数分程度しかないとされているからです。

仮に、避難してから陽圧環境をつくるまでに数十分の時間がかかる場合、安全な空間を確保する前にミサイルが着弾してしまうおそれもあります。

そのため、核シェルターを検討する際は「数十秒~数分で陽圧環境をつくれるかどうか」を確認し、素早く安全な空間を確保できる性能を備えたものを選ぶことが大切です。

換気性能

喚起性能

核シェルター内の閉鎖空間で安全に過ごすためには、適切な換気性能も欠かせません。

核攻撃後の外気には、放射性物質や化学・生物兵器による汚染物質が含まれている可能性があり、高性能フィルターによって安全な空気を供給し続ける必要があるからです。

具体的には、イスラエル製のCBRN対策フィルターや放射性物質の粒子を除去するHEPAフィルター、化学物質を除去する活性炭フィルターなどの種類があり、これらのフィルターを常に稼働させることで外部のあらゆる汚染から身を守ることが可能です。

また、非常時に備えて予備電源や手動でも稼働できるフィルターが備わっていると、避難生活が長期化した場合でも換気システムが維持できます。

核シェルターの換気については以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

核攻撃によってもたらされる被害

ここまで、核シェルターにはさまざまな性能が求められることを解説しました。

しかし、安全な避難生活を送るためには「高性能なシェルターがあれば大丈夫」と考えるのではなく、実際に生じる可能性がある被害について理解しておくことも大切です。

そこでここからは、核攻撃によってもたらされる以下4つの被害について、詳しく解説します。

  • 爆風
  • 熱線・閃光
  • 初期放射線
  • 残留放射線

これらを理解することで、核シェルターに求められる性能の重要性もより明確になるはずです。

爆風

核爆弾が炸裂すると、爆心地から強烈な爆風が発生します。

爆風の強大な圧力は、周囲の建造物を一瞬で破壊し、コンクリート造の建物すら吹き飛ばすほどの威力を持つとされています。

また、爆風による被害は直接的な建物の損壊だけでなく、瓦礫や破片の飛散、人が飛ばされることによる二次的な被害を引き起こす可能性も。

さらに、粉塵が舞い上がることによって呼吸器系に損傷を及ぼすおそれもあり、爆心地から離れている場合でも油断はできないといえるでしょう。

熱線・閃光

核爆発によって放出される熱線は、太陽の表面温度をはるかに超える高温です。

この熱線は、爆心地から数キロメートル離れた場所でも人体に深刻な火傷を負わせるほか、可燃物を引火させる可能性があります。

また、同時に発生する強烈な閃光は網膜に熱傷を引き起こし、一時的な失明や網膜の損傷を招く危険性があります。

放射線障害と重なることで皮膚の再生が不可能になるほどの重度の火傷を負うおそれもあるでしょう。

初期放射線

核爆発からわずか数秒で放出される初期放射線は、ガンマ線や中性子線で構成され、人体に深刻な遺伝子損傷や細胞破壊を引き起こします。

特に透過力の強い中性子線は、金属では遮ることができず、分厚いコンクリートや水などで遮蔽しなければ防げません。

そのため、爆発直後の被ばくリスクを最大限に抑えるには、核シェルターなどの強固な構造物への避難が不可欠です。

残留放射線

核爆発後に発生する残留放射線(フォールアウト)は、爆発で生じた放射性物質が粉塵や雨とともに地上に降り注ぐものです。

残留放射線は数日〜数週間にわたり高レベルの放射能を放出し、被ばくすると深刻な健康被害を引き起こすほか、死に至る危険性もあります。

また、核爆発による中性子線を浴びて生成される放射性物質も、同様に放射能障害を引き起こすおそれがあるため注意が必要です。

核攻撃があった際にこれらの被害が想定されることを踏まえると、核シェルターへ避難することの重要性がわかるでしょう。

核シェルターの性能を発揮するには定期点検・メンテナンスが不可欠

部屋型シェルター

核シェルターは高い性能を備えているものの、その性能を維持するには定期的なメンテナンスや点検が欠かせません。

いざというときに機能しなければ、せっかく導入した意味もなくなってしまうので、必ず適切なメンテナンスを行って性能を維持するようにしましょう。

以下では、核シェルターの主なメンテナンス項目とその内容をまとめました。

メンテナンス項目 内容
換気システムの点検 フィルターの劣化や動作不良は、清浄な空気の供給を妨げ、健康被害につながる可能性があるため、定期的なメンテナンスやフィルターの交換が必要です。
気密性の確認 ドアや窓のパッキンが劣化すると、外部の汚染物質がシェルター内に侵入する原因となるため、定期的な点検が不可欠です。
電気系統のチェック いざというときに身を守るためには、照明や通信機器、生命維持に不可欠なシステムが正常に機能するかを常に把握しておく必要があります。

なお、多くの施工会社やシェルターメーカーでは、定期的なメンテナンスサービスを提供しています。

ただし、メンテナンスには費用がかかるので、導入前に維持管理にどれくらいのコストがかかるのかを把握しておくことが大切です。

核シェルターの性能に関するよくある質問

ここでは、核シェルターの性能についてよく寄せられる質問に回答していきます。気になる質問がある方は、ぜひチェックしてみてください。

核シェルターは意味がないというのは本当ですか?

「核シェルターは意味がない」と言われる主な理由としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 直接的な攻撃に耐えられない可能性がある
  • シェルターから離れた場所にいる場合、すぐに避難できない
  • 食料や水の備蓄、定期的なメンテナンスに費用がかかる

確かに「核シェルターがあれば絶対に安全」というわけではありませんし、導入には費用もかかります。

しかし、核シェルターの主な目的は、核攻撃後の爆風や熱線、放射線といった脅威から身を守ることであり、特に爆心地から離れた場所では非常に有効な手段となります。

そのほかにも以下のようなメリットがあり、緊急時に命を守るという点では非常に大きな意味を持つでしょう。

  • 放射性降下物(フォールアウト)を防ぎ、生存確率を飛躍的に高める
  • 地震や津波などの自然災害時にも避難場所として利用できる
  • 備蓄と換気システムがあれば、数週間にわたる避難生活も可能

「核シェルターに意味はあるのか」という点については、以下の記事でも詳しく解説しているので気になる方はぜひチェックしてみてください。

核シェルターは地震にも耐えられますか?

核シェルターは、一般的に地震にも強いとされています。

なぜなら、核シェルターには鉄筋コンクリートなどの強固な材質が用いられており、その耐久性は地震や建物の倒壊にも耐えうるものだからです。

実際、HANAREで取り扱うWNIの核シェルターは、核攻撃だけでなく、地震やその他の災害に対応できるものも少なくありません。これは、核シェルターを導入することで核以外の脅威にも備えられるという意味でもあります。

ただし、全ての核シェルターが地震にも耐えられる設計になっているとは限らない点には注意が必要です。

なお、核シェルターの耐震性については以下の記事でも解説しているので、合わせて参考にしてください。

核シェルターには何時間いられますか?

核シェルターにいられる時間は、備蓄品の量と性能によって大きく左右されます。数日程度しか避難できないものもあれば、数週間から数カ月の避難に対応しているものもあるのです。

なお、核ミサイルなどが爆発した場合、外部の放射線量が安全なレベルに下がるまでは、最低でも48時間はシェルター内に留まることが推奨されています。さらに、放射性降下物の影響も考慮すると、2週間以上の避難生活を想定する必要もあります。

つまり、核シェルターを導入する際は、2週間以上の避難が可能かどうかという点をチェックすべきともいえるでしょう。

核シェルターに何日いるべきかについては、以下の記事でも詳しく紹介しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

核シェルターの耐久性はどれくらいもちますか?

核シェルターの耐久性は、一般的に20年程度が目安とされています。

これは、シェルターの主要な構造材であるコンクリートや鉄筋の劣化、換気システムやフィルター、電気系統といった内部設備の寿命を考慮した期間です。

しかしあくまで目安であり、定期的なメンテナンスや適切な管理を行うことで、さらに長期間にわたって使用することが可能です。

特に換気システムのフィルターやパッキン類は消耗品なので、長く使うためには定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。

核シェルターの性能維持にはどれくらいコストがかかりますか?

核シェルターの性能を維持するためのコストは、シェルターの規模や設備、メーカーのサービス内容によって大きく異なります。

主な費用としては、換気フィルターの交換費用や電気代、定期点検にかかる費用などが挙げられるので、事前に施工会社やメーカーに確認しておくとよいでしょう。

購入後のランニングコストまで含めて比較検討することで、より長期的な視点で最適な選択が可能になります。

まとめ|高性能な核シェルターをお探しならHANAREにご相談を

核シェルターには、「耐衝撃・防護性能」「気密性能」「陽圧維持性能」「換気性能」という4つの基本性能が求められます。

これらの性能を備えた核シェルターを選ぶことで、核爆発による爆風や放射線、有毒ガスから命を守ることが可能です。

ただし、導入後も定期的な点検やメンテナンスを行うことで初めて性能を発揮できる点も忘れてはいけません。

国際情勢が不安定さを増す今こそ、正しい知識を持ち、自分や家族を守るためにどのような準備が必要なのかを具体的に検討してみてはいかがでしょうか。

なお、HANAREでは、お客様のニーズに合わせた最適な核シェルターの提案から、設置、アフターメンテナンスまで一貫したサポートを提供しています。高性能な核シェルターをお探しでしたら、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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