札幌に核シェルターはある?核に備えて個人ができることや注意点を解説

ウクライナとロシアの戦争が続くなか、ロシアに近い北海道札幌市に住んでいる方のなかには、以下のような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
「札幌に核シェルターはある?」
「万が一のとき、どこに逃げればいいの?」
実は2025年現在、札幌市内に公的な核シェルターは存在していません。そのため、核のリスクに備えるためには、個人での対策が不可欠です。
本記事では、札幌市における核シェルター事情や、個人で核被害に備えられる「家庭用の核シェルター」について詳しく解説します。
「有事に備えて個人でできることを知っておきたい」という方は、ぜひ最後まで目を通してみてください。
札幌に核シェルターはある?場所はどこ?
2025年8月現在、札幌市には一般市民が利用できる公的な核シェルターは整備されていません。
ただし、札幌市内には「地下シェルター」と呼ばれる一時的な避難空間としての地下施設がいくつか存在しています。
具体的には、以下のような施設が災害時の避難場所に指定されています。
- 札幌市営地下鉄の地下駅舎
- さっぽろ地下街ポールタウン
- さっぽろ地下街オーロラタウン
- 札幌駅南口広場地下街アピア
これらの地下空間は、地震や火災、豪雨といった一般的な災害への一時避難先として設けられています。
しかし、爆風や放射線、有毒ガスなどへの対応機能は備えておらず、核シェルターとしての性能はありません。
そのため、札幌で本格的に核リスクに備えるには、個人で対策を講じる必要があるといえるでしょう。
札幌の注文住宅メーカーでは核シェルター付き住宅の販売も
札幌では公共の核シェルターは整備されていないものの、一部の住宅メーカーが「核シェルター付き住宅」の販売を開始しています。
代表的な例が、北海道を拠点とする注文住宅メーカー「HOP(ハウジングオペレーションアーキテクツ)」です。
HOPでは、有事の際に家族の命を守ることを目的とした核シェルター付きの住宅を展開しています。
札幌市内ではコンセプトハウスも公開しており、実際の設備を見学することが可能です。
核シェルター付きの物件は当然コストがかかりますが、都心部と比べて土地の確保がしやすく、地下スペースを活かせる北海道の特性を活かした選択肢といえるでしょう。
【参考】地下核シェルター付コンセプトハウス初公開!!4/21(金)グランドオープン丨ハウジングオペレーションアーキテクツ
札幌で核に備えるなら「家庭用シェルター」の検討が必要
札幌市内には公共の核シェルターは整備されておらず、避難所として指定されている地下施設も核兵器への備えとしては不十分です。
そこで、個人が核リスクに備えるための手段として注目されているのが「家庭用の核シェルター」です。
家庭用の核シェルターとは、その名の通り自宅内に設置できる核シェルターのこと。
地下型・地上型・屋内設置型・エアコン型など、さまざまな種類があり、目的や予算に合わせて導入することができます。
とはいえ、「お金を払ってまで設置するメリットはあるの?」「逆デメリットはないの?」といった不安を感じる方も多いでしょう。
そこでここからは、札幌で家庭用の核シェルターを導入する際のメリット・デメリットについて解説。また、ほとんどの方が気にする費用面についても、詳しく紹介します。
札幌で家庭用の核シェルターを設置するメリット
札幌で家庭用の核シェルターを導入する最大のメリットは、自宅の中に安全な避難空間を確保できることです。
公共の核シェルターが整備されていない札幌では、核被害が想定される際に避難所へ移動するのは現実的ではありません。
また、冬の厳しい気候や積雪によって屋外避難が困難になる可能性もあります。
その点、家庭用の核シェルターがあれば、外に出ることなく速やかに身を守ることが可能です。
最近では地下工事を必要としない屋内設置型のモデルも増えており、マンションや狭小住宅にも導入しやすくなっています。
設置のハードルが下がったことで、「導入したいけれどスペースが不安」といった悩みを持つ方でも現実的に検討できるでしょう。
さらに、防音性や密閉性に優れた構造を活かして、日常生活でも書斎・シアタールーム・酸素カプセルルームなどとして活用できる点も魅力のひとつです。
札幌で家庭用の核シェルターを設置するデメリット
家庭用の核シェルターは、有事に備える現実的な手段として注目されていますが、設置にはいくつかのデメリットやハードルも存在します。
まず、最も大きな負担となるのが費用面です。
本体価格に加えて、設置工事費・オプション機能の追加なども含めると、数百万円〜数千万円規模の出費が必要になるケースもあります。
加えて、定期的なメンテナンスや換気装置のフィルター交換といった維持管理コストも考慮しなけばなりません。
また、設置には一定のスペースの確保が必要です。
特に、地下型や地上型シェルターを検討する場合、自宅の敷地条件によっては設置自体が難しいケースもあるでしょう。
マンションなどの集合住宅では、管理規約や構造上の制限により、設置が許可されないこともあります。
さらに、せっかく設置しても「使う機会がないまま物置になってしまう」というリスクもあります。
こうした事態を避けるには、有事以外にも活用できるような多目的設計を意識して選ぶことが重要です。
これらの点をふまえたうえで、「それでも導入する価値がある」と判断できるかが、検討の分かれ目になるでしょう。
札幌で家庭用の核シェルターの設置にかかる費用
家庭用の核シェルターを札幌で設置する場合、選ぶシェルターの種類によって費用は大きく異なります。
ここでは代表的なシェルタータイプごとの本体価格の目安を見ていきましょう。
シェルターの種類 | 本体価格の目安(税込) | 特徴 |
地下型シェルター | 約2,000万~3,000万円超 | 敷地内に地下を掘って設置するタイプ。頑丈な構造と高い気密性が特徴。 |
地上型シェルター | 約700万~1,500万円 | 敷地内の地上に設置するタイプ。地下型よりも耐久性は劣るものの、設置費用と性能のバランスが取れるのが魅力。 |
屋内設置型シェルター | 約400万~800万円 | 室内の一角に設置できるタイプ。大規模な工事が不要のため、費用を抑えやすい。 |
エアコン型(簡易型)シェルター | 約150万~300万円 | 部屋の壁に空気のろ過装置を設置し、放射性物質や有毒ガスから身を守るタイプ。耐久は上がらないものの気軽に設置可能。 |
なお、これらの本体価格に加えて、設置工事費用やオプション設備費用が別途かかる点にも注意が必要です。
特に札幌のように積雪や凍結による建築条件が厳しい地域では、工事費が割高になるケースもあります。
設置にかかる費用については、必ず施工会社に見積もりを依頼し「総額」を確認するようにしましょう。
核シェルターの値段はいくら?設置費用や本体価格の相場をタイプ別に解説
家庭用の核シェルターを検討するうえでの注意点
札幌のように公共の核シェルターが整備されていない地域において、家庭用の核シェルターは家族の安全を確保できる手段として注目されています。
しかし、核シェルターの導入には以下のように注意すべき点も存在します。
- 信頼できるメーカー・販売店を選ぶこと
- 日常生活への影響を考慮すること
ここからは、それぞれの注意点について、より詳しく見ていきましょう。
信頼できるメーカー・販売店を選ぶこと
家庭用の核シェルターは、有事の際に命を預ける設備です。
万が一のときに本来の機能を果たせなければ、設置した意味がなくなってしまいます。だからこそ、購入時には必ず信頼できるメーカー・販売店を選ぶことが重要です。
購入先のメーカーや販売店を選ぶ際は、以下のようなポイントを確認しながら、慎重に選定を行いましょう。
- 国内での施工実績が豊富か
- 国の施設などで導入されているか
- シェルター設置に必要な資格を保有しているか
- 第三者機関による性能試験を受けているか
- 設置後のメンテナンス・点検体制が整っているか
- 問い合わせや見積もり時の対応が丁寧か
「核シェルター」という性質上、見た目や価格だけで判断せず、性能と安全性、実績に基づいた選択を心がけることが大切です。
核シェルターのメーカー・販売店選びについては、以下の記事も詳しく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。
日常生活への影響を考慮すること
家庭用の核シェルターを導入する際は、「有事に備える」という目的だけでなく、設置後の日常生活への影響についてもしっかりと考慮することが大切です。
特に、屋内設置型のシェルターは自宅内のスペースを占有するため、間取りや収納に影響を与える可能性があります。
特に、札幌のように住宅の暖房効率や断熱性が重視される地域では、冷暖房や通気に支障が出ないかといった点も確認するようにしましょう。
また、設置したものの、実際には使われずに「ただの物置」と化してしまうケースも少なくありません。
こうした事態を防ぐためには、平時にも使える設計かどうかを事前に確認しておくことが重要です。
たとえば、当社で取り扱っているWNI社の核シェルターは、防音性・気密性を活かして、以下のように活用することもできます。
- シアタールームやカラオケルーム
- 在宅ワーク用の防音書斎
- 酸素カプセルルーム
このように、「有事の備え」で終わらせず、日常生活への影響も考慮することが、後悔しない導入のカギとなります。
札幌の核シェルターに関するよくある質問
最後に、核シェルター導入についてよくある以下2つの質問について回答します。
- 日本にはなぜ核シェルターがないの?
- 「核シェルターは意味がない」と言われるのはどうして?
似たような疑問をお持ちの方は、ぜひここで解消しておきましょう。
日本にはなぜ核シェルターがないの?
日本に核シェルターがほとんど整備されていない理由には、以下のような理由があります。
要因 | 具体的な理由 |
地理的な要因 | 日本は他国と陸続きの国境を持たず、核攻撃や戦争の現実味が薄いと見なされてきたため |
歴史的な要因 | 日本は憲法9条に基づく専守防衛の方針や「非核三原則」の理念を大切にしており、軍事的な備えよりも外交や抑止力に重きを置いてきたため |
政治的な要因 | 核シェルターは高度な専門設計と莫大なコストを要する分、災害対策やインフラ整備が優先される中で、核シェルターの整備が後回しにされてきたため |
これらの要因によって核シェルターの導入が進んでこなかった結果、日本における核シェルターの普及率はわずか0.02%程度と、先進国の中でも非常に低い水準にとどまっています。
「核シェルターは意味がない」と言われるのはどうして?
核シェルターについて調べていて「核シェルターなんて意味がない」といった情報を目にしたことがある方は多いでしょう。
しかし、「核シェルターは意味がない」というのは間違いです。
たしかに、シェルターの直上で核が爆発した場合、どんなシェルターであっても完全に被害を防ぐことは不可能です。
しかし、核攻撃の脅威は爆発だけではありません。
爆心地から離れた地域であっても、放射線・放射性物質・有毒ガス・衝撃波・火災などによって深刻な被害が及ぶ可能性はあります。
こうした“二次的な被害”から身を守る手段として、核シェルターは大きな意味を持つのです。
特に、以下のような機能を備えたシェルターであれば、放射能などによる被害が想定されていても、安全な避難生活を送れるでしょう。
- 密閉構造による放射性物質の遮断
- 高性能フィルターによる空気ろ過
- 数日間分の生活に必要な機能(酸素・水・電源・トイレなど)
つまり、「核シェルターは意味がない」という情報は、「想定している使い方が極端すぎる」といった誤解から生まれたものだといえます。
まとめ|札幌で核シェルターの導入を検討中ならHANAREにご相談を
札幌市には2025年現在、公的な核シェルターは整備されておらず、地下施設も基本的には災害時の一時避難場所にとどまります。
こうした現状を踏まえると、核攻撃や放射能汚染といった非常時に家族を守るには、「家庭用の核シェルター」での備えが欠かせません。
近年では、地下工事不要の屋内設置型や簡易型シェルターが増えており、札幌のような都市部や寒冷地の住宅でも導入がしやすくなっています。
もちろん、費用やスペースの問題、メンテナンスの手間など課題はありますが、有事に備えるという意味で導入を検討しても損はないでしょう。
なお、HANAREでは、札幌エリアでも設置可能な高性能シェルターを多数取り扱っており、製品選びから導入・アフターサポートまでトータルでご相談いただけます。
専門知識をもとに、設置場所や予算に合わせたご提案も可能ですので、「まずは話を聞いてみたい」「自宅に設置できるか不安」といった段階の方も、ぜひお気軽にご相談ください。