2025.09.13

耐震シェルターの大きさはどのくらいがベスト?サイズ選びのポイントを解説

災害シェルター
耐震シェルターの大きさ

地震による建物倒壊から身を守る「耐震シェルター」。

導入を検討するときに、多くの方が迷うのが「どれくらいの大きさを選べばよいのか」という点ではないでしょうか。

広すぎれば費用や設置スペースの負担が増えますし、狭すぎれば避難時に圧迫感があり、十分な安全性が確保できないおそれもあります。

本記事では、耐震シェルターのサイズ選びに迷っている方向けに、人数別の目安やタイプ別の大きさ、人気製品のサイズ一覧まで詳しく解説します。

最後まで読めば、自宅やオフィスに最適なシェルターを検討するための基準が明確になるはずです。

耐震シェルターの大きさはどのくらいがベスト?

コンテナ型シェルター

耐震シェルターの大きさを考える際は、まず「避難する人数」を基準にするのが基本です。

文部科学省の防災関連資料によると、避難者が快適に過ごせる居住スペースは「1人あたりおおむね2〜3㎡程度」と示されています。

つまり、夫婦2人であれば4〜6㎡、4人家族であれば8〜12㎡が目安ということです。

ただし、必要な大きさは「最低限の安全確保だけできればOK」なのか「一定期間の避難生活を想定する」のかによっても変わります。

短時間の退避を想定する場合はコンパクトな設計でも問題ありませんが、数時間から半日以上の避難にも備える場合は、水や食料の備蓄スペースも考慮しなければなりません。

つまり、シェルターの大きさは単に「何人収容できるか」だけでなく、想定する滞在時間や利用目的に応じて決めることが大切です。

設置場所や予算によっても大きさは変わる

地上型シェルター

耐震シェルターの大きさを決める際には、収容人数だけでなく「どこに設置できるか」「どのくらいの予算を用意できるか」も重要な判断基準となります。

たとえば、庭や駐車場が広ければ、10㎡以上の大型コンテナ型シェルターを設置することも可能ですが、都市部の住宅では数㎡の屋内型・家具型が現実的な選択肢になることが多いでしょう。

また、予算面も大きさに直結します。一般的にサイズが大きいほど本体価格や工事費が高額になり、基礎工事や搬入用クレーンの利用が必要になるケースもあります。

反対に、小型のベッド型やテーブル型は数十万円程度から導入でき、室内に置くだけで設置できるためコストを抑えやすいでしょう。

このように、理想的な広さを基準に考えつつも、設置環境と予算のバランスを踏まえて選ぶことが、無理のないシェルター導入につながります。

タイプ別・耐震シェルターの大きさと設置スペース目安

耐震シェルターと一口にいっても、設置方法や用途によって以下のようなタイプがあります。

  • 部屋型
  • コンテナ型
  • ベッド型
  • テーブル型

ここからは、それぞれのタイプ別に特徴やサイズの目安、設置スペースに関するポイントを詳しく見ていきましょう。

部屋型シェルター

部屋型シェルター

部屋型シェルターは、既存の一室を補強してシェルター化するタイプで、家族や複数人が同時に避難できるのが大きな特徴です。

耐震性を高めた鉄骨や木質材を用いて壁や天井を強化し、建物の一部を「安全空間」として設計します。

大きさは部屋の広さによって異なりますが、10〜30㎡程度のものが多く、リビングや和室の一室を活用して十分な広さを確保することが可能です。

部屋型のメリットは、シェルター化したあとも普段は通常の部屋として使える点です。

書斎や子ども部屋として利用しながら、万が一の際には避難場所となるため、生活空間を圧迫せずに導入できます。

ただし、既存の建物構造によっては補強工事が大掛かりになる場合があり、工期や費用が高額になる可能性もあるので注意が必要です。

コンテナ型シェルター

シェルター

コンテナ型シェルターは、鉄やコンクリートで造られた箱型の構造体を庭・駐車場など屋外や屋内に設置するタイプです。見た目は倉庫やコンテナに近く、内部を避難空間として利用します。

サイズは小さいもので1.5㎡程度、大きいもので30㎡程度と、人数や設置場所に合わせて幅広い大きさから選択可能です。

また、耐震性能だけでなく、耐火・耐爆・放射線遮断といった高い防護機能を備えた製品も。地震だけでなく、核攻撃や戦争にも備えたいという方にはぴったりです。

ただし、設置には広い土地と基礎工事が必要なケースも多く、搬入時にはクレーンを使用するケースも少なくありません。そのため、費用は数百万円~数千万円規模になる可能性もあるでしょう。

室内に設置するタイプであれば比較的コストも抑えられるので、予算に合ったタイプを選んでみてください。

ベッド型シェルター

ベッド型シェルター

ベッド型シェルターは、寝室にそのまま設置できる家具型タイプで、普段はベッドとして利用しながら、地震発生時には安全空間へと早変わりするのが特徴です。

大きさはシングルベッドやダブルベッド程度で、2〜3㎡前後のスペースがあれば導入することができます。

個人や夫婦二人暮らしなど、少人数世帯に適しており、夜間や就寝中の突然の揺れでも迅速に避難できる点が大きなメリットです。

価格も比較的リーズナブルで、製品によっては数十万円程度から導入可能です。大型の工事を必要とせず、設置のハードルが低いのも魅力といえるでしょう。

ただし、収容人数は限られるため、家族全員で避難するには不向きです。また、建物全体の倒壊リスクを完全に防ぐわけではなく、設置階や建物の耐震性によって効果が変わる点には注意しましょう。

テーブル型シェルター

テーブル下に避難する様子

テーブル型シェルターは、普段はダイニングテーブルや作業机として使用しながら、有事の際にはそのまま避難空間になるタイプです。

上部や側面を強化鋼や特殊合板で覆い、数トン規模の落下物にも耐えられる設計となっています。

大きさは2〜4㎡程度と比較的コンパクトで、1〜4人ほどの収容を想定しているものが多い傾向にあります。

家具の延長線上で導入できるため、スペースに余裕がない家庭やオフィスでも取り入れやすいのが特徴です。

価格帯もベッド型と同様に比較的手頃で、20万円〜60万円程度から導入できる製品もあります。

一方で、長時間の避難や家族全員の収容には向かず、あくまで短時間の退避用と考えるのが現実的です。

おすすめ耐震シェルターのサイズ一覧

耐震シェルターにはさまざまな製品があり、素材や設計によってサイズ感や特徴が異なります。

そこで以下では、HANAREが取り扱うWNIシェルターに加えて、代表的な製品をピックアップし、サイズの目安や特徴を紹介します。導入を検討する際の比較材料として参考にしてください。

製品名 サイズ 素材 特徴
安全ボックス 要問合せ 鉄骨造 震度7の地震にも耐えられる屋内設置型。34トンの圧力試験をクリアした高い耐久性が魅力。
木質耐震シェルター 【スタンダードシリーズ】

Aタイプ:2492mm×2390mm×2310mm

Bタイプ:2492mm×2390mm×2110mm

【ワイドシリーズ】

Aタイプ:3440mm×2500mm×2310mm

Bタイプ:3440mm×2500mm×2110mm

木造 実大倒壊実験で性能を実証。2日で設置できる手軽さが魅力。
耐震シェルター剛建 【六畳タイプ】

2730mm×2330mm×2241mm

【四畳半タイプ】

2400mm×2330mm×2241mm

木造 比較的コンパクトで、1日で設置できる点が魅力。内部にはシングルベッドを2台設置可能。
埋設型シェルター・

ミサイル対応シェルター

要問合せ RC鉄筋コンクリート造 地下埋設型で耐震性・耐爆性能に優れる。長期滞在にも対応。
令和の要塞 ザバイブ 【サバイブ5000】

2,100mm×4,700mm×2,400mm~

【サバイブ7000】

3,500mm×4,700mm×2,500mm~

RC鉄筋コンクリート造 屋外設置型。カスタマイズ性が高く、大人数の収容も対応可能。耐火・耐爆性能も高く、地震以外の災害への備えとしても◎。
最後の砦 【1人用】

1,300mm×2,400mm×1,800mm

【2~3人用】

3,000mm×1,500mm×1,800mm

【3~4人用】

3,000mm×1,800mm×2,000mm

【4~5人用】

3,500mm×2,500mm×2,200mm

【5~7人用】

4,000mm×3,800mm×2,200mm

RC鉄筋コンクリート造 屋外設置型。サイズが幅広く、都市部でも導入しやすいのが魅力。

なお、上記はあくまで目安であり、実際のサイズは仕様やオプションによって変わる可能性があります。

導入を検討する際には、必ずメーカーや施工業者に相談し、実際の設置環境に合わせて検討することが重要です。

最近は自宅に合わせて大きさをカスタマイズできるものも

最近は自宅に合わせて大きさをカスタマイズできる耐震シェルター

従来の耐震シェルターは規格化されたサイズが主流でしたが、近年は住まいの条件や利用人数に応じて柔軟にカスタマイズできる製品も増えてきました。

特に注目されているのが、当社でも取り扱っているWNI社のシェルターです。

WNIの製品は分割搬入が可能な設計となっており、狭い通路や階段でも運び込めるため、都市部の住宅や集合住宅でも設置しやすいのが特徴。

家族構成に合わせて大きさを細かく調整できるため、「6㎡程度の省スペース型から、10㎡以上の広々としたタイプまで」幅広いニーズに対応できます。

「設置環境が特殊で導入できるか不安」「自宅の間取りに合わせたサイズで検討したい」という方は、ぜひHANAREへご相談ください。

ご希望や予算に合わせて、最適なシェルターをご提案させていただきます。

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大きさ以外も重要!耐震シェルターの選び方

耐震シェルターを検討する際は、大きさ以外のポイントにも目を向けることが大切です。

ここからは、シェルター選びの失敗を防ぐために確認しておきたい具体的なポイントを解説します。

信頼できる製造会社の見極め方から、耐久構造や工事期間、価格帯のチェックまで順を追って見ていきましょう。

信頼できるシェルター製造会社か確認する

耐震シェルターを選ぶ際に最も重要なのが、製造会社や販売元が信頼できるかどうかです。

シェルターは万が一のときに命を守る設備であり、安易に価格だけで選ぶと、十分な強度や安全性が担保されないリスクがあります。

そのため、過去の施工実績や第三者機関による強度試験の有無を確認することが大切です。

また、自治体や研究機関と連携して実証実験を行っているメーカーは信頼性が高いといえます。

さらに、設置後のメンテナンス体制や保証内容もチェックポイントです。耐震シェルターは定期的な点検や部品交換が必要になる場合があるため、アフターサポートが整っているかどうかで安心感が大きく変わります。

上記のようなポイントを押さえて信頼できる業者を選ぶことが、シェルター導入の第一歩といえるでしょう。

耐久構造に問題がないか確かめる

耐震シェルター

耐震シェルターは、建物の倒壊や落下物から命を守るための「最後の砦」です。万が一の際にしっかり機能するためには、見た目の頑丈さだけでなく、実際の耐久力や構造にも注目することが大切です。

まず、使用されている素材や構造設計を必ず確認しましょう。たとえば、鋼鉄や強化木材、コンクリートなどの高強度素材を採用しているかをチェックしてください。

また、メーカーがどのような試験を実施しているかも重要です。実大倒壊実験や圧力試験などで耐荷重性能を証明している製品であれば、信頼性が高いと判断できます。

さらに、耐火性や気密性といった付随性能も確認しておくと安心です。

「安価だが強度の実証が不十分な製品」と「多少高額でも耐久試験をクリアした製品」とでは、いざという時の安心感に大きな差が生まれます。命を守る設備だからこそ、耐久構造に問題がないかを徹底的に確かめましょう。

搬入経路と工事期間の確認も重要

耐震シェルター搬入の様子

耐震シェルターを選ぶ際は、搬入経路や工事期間を確認することも大切です。

特に都市部の住宅やオフィスでは、狭い通路や階段、天井の高さ制限がネックになるケースも少なくありません。

最近では、分割搬入が可能な製品も増えていますが、業者に相談する際には、図面や現地調査を通じて「搬入の可否」を必ずチェックしてもらいましょう。

また、工事期間も製品タイプによって大きく異なります。家具型なら数日で設置できますが、コンテナ型や埋設型では基礎工事を含めて数週間から数ヵ月以上かかることも少なくありません。

生活や業務への影響を最小限に抑えるためにも、工事スケジュールを事前に把握して計画的に導入することが大切です。

予算に合った価格かどうかをチェック

耐震シェルターは命を守る設備ですが、導入には以下のような費用がかかります。

シェルターの種類 導入費用の目安
部屋型 約20万円〜450万円以上
コンテナ型 約400万円〜1,300万円以上
ベッド型 約25万円〜100万円
テーブル型 約20万円〜60万円

また、価格は「本体代」だけでなく、「設置工事費」「搬入費」「基礎工事費」などを含めて総額で考える必要があります。

特に、クレーンでの搬入が必要な場合や、地盤補強を伴う場合は追加費用が発生しやすいため注意が必要です。

なお、自治体によっては耐震シェルター設置に対する補助金制度が用意されている場合もあります。助成制度を活用すれば、数十万円単位で費用を抑えられるので、チェックしてみましょう。

長期間の避難や浸水対策がされていると◎

耐震シェルターは地震発生時に短時間だけ避難する設備と思われがちです。しかし、実際には余震が続いたり建物が大きく損傷したりすると、長時間の滞在を余儀なくされるケースもあります。

そのため、シェルター内で数時間から半日以上過ごせるように、水や食料を備蓄できるスペースや簡易トイレの設置に対応しているかを確認しておくと安心です。

さらに、地下型や屋外設置型の場合は浸水リスクにも注意が必要です。豪雨や津波による冠水で使用不能にならないよう、防水性能や排水設備が備わっているかどうかもチェックしましょう。

有事の際以外に邪魔にならない製品がベター

核シェルターの内部でくつろぐ人

耐震シェルターは非常時に命を守る大切な設備ですが、日常生活では「大きな置物」となり、スペースを圧迫してしまう可能性があります。

そのため、普段の生活を妨げないかどうかを考慮することが重要です。

近年は防音性や遮光性を備え、災害時以外にも活用できる製品が増えています。たとえばWNI社の耐震シェルターは、シアタールームやカラオケルーム、酸素カプセルとして利用できる設計が特徴です。

普段から趣味やリラクゼーションの空間として活用できれば、「ただの防災設備」ではなく「生活を豊かにする空間」として導入しやすくなるでしょう。

まとめ|シェルターの大きさ選びでお悩みならHANAREにご相談を

耐震シェルターの大きさを決める際は、まず「避難する人数」に合わせて考えることが基本です。

国の防災ガイドラインで示されているとおり、1人あたりおおむね2〜3㎡を目安にすれば、おおよその必要面積を算出できます。そこに滞在時間や備蓄スペースの有無を加味することで、より現実的なサイズ感が見えてくるでしょう。

ただし、実際にシェルターを選ぶ際は設置場所や予算、シェルターのタイプによって適切なサイズは変わります。

部屋型や家具型のように日常使いできるタイプもあれば、大人数対応のコンテナ型や埋設型など本格的なモデルも存在するので、自分に合った製品はどれなのかを見極めてください。

「何㎡あれば十分か」「どの製品が最適か」と迷うときは、専門業者に相談して現地調査やシミュレーションを行うのが最も安心です。HANAREでは、お客様のご要望やご予算に合わせて最適なシェルターをご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。

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