2025.09.13

核シェルターで電気は使える?何日もつのかや電源以外の必要設備について解説

核シェルター
核シェルターで電気は使える?

核シェルターを導入しようと考えるときに、多くの方が気になるのが「中で電気は使えるのか?」という点ではないでしょうか。

核攻撃や原発事故が起きた場合、ライフラインが寸断される可能性は高く、シェルター内の電力だけで照明や換気、通信機器などを使わなければなりません。

一般的な核シェルターには発電機や蓄電池が備えられており、数日から数週間にわたって電力を供給できる設計になっています。

ただし、利用できる期間や電力の用途には限りがあり、さらに核爆発に伴うEMP(電磁パルス)の影響を受ける可能性もあるため、正しい理解と備えが必要です。

本記事では、核シェルターで電気は使えるのか、何日間利用できるのかといった基本的なポイントから、電源以外に欠かせない設備、さらに構造や性能の重要性まで詳しく解説します。

核シェルターの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

核シェルター内の電源|電気は使えるの?

部屋型シェルター

近年の核シェルターの多くは、外部のライフラインが途絶えても避難生活を続けられるように、独立した電源設備を備えています。

電源設備としては、ディーゼルやガソリンを燃料とする発電機と、大容量の蓄電池が主流ですが、一部のモデルでは手回し式や自転車式などの人力発電装置を備えている場合もあり、有事の長期滞在を支える仕組みが整っています。

なお、電力の用途は、照明や換気装置、空調、通信機器の充電、飲料水生成装置や空気清浄フィルターの稼働など多岐にわたります。

特に、換気システムは避難中の生命維持に直結するため、電源の安定確保が欠かせません。

このように核シェルター内でも電気を使うことは可能です。

ただし、使える期間や電力量には限界があるので、有事の際は必要最低限の機能を優先しながら電力を管理する意識を持つことが大切です。

核シェルター内の電源は何日もつ?

核シェルター内の照明

核シェルターに備えられた電源は、設置環境や規模によって差があるものの、多くの場合で数日から数週間程度の使用に耐えられるよう設計されています。

たとえば、ディーゼルやガソリン式の発電機であれば、燃料を十分に備蓄しておくことで長期間稼働が可能です。設備によっても異なりますが、家庭用の小型シェルターでも3〜7日程度、大型のシェルターでは2〜3週間以上の稼働を見込めるケースもあるでしょう。

ただし、電力は無制限に使えるわけではなく、照明・換気・通信機器など「生命維持に直結する部分」に優先的に回されます。パソコンや家電などを常時使用すると消費が早まり、電力不足に陥るリスクもあるため注意が必要です。

また、長期避難が想定される場合は、発電機の燃料補給や予備バッテリーの準備が欠かせません。電源の持ち時間を延ばすためには「どの機器をどのタイミングで使うのか」を事前にシミュレーションし、最低限の電力で生活できるよう工夫しておくことが大切です。

核戦争が起きたら何日間核シェルターにいるべき?

核シェルター内の電源

核シェルターの電源設備をチェックするうえで「そもそも核シェルターには何日いるべきなの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

核爆発後は、放射性降下物が地上に降り注ぎ、放射線量が危険な水準に達します。

放射線量は爆発後すぐにピークを迎え、徐々に減少していきますが、一般的な目安としては最低でも2週間程度は外に出ないことが推奨されています。

また、国際的な防災ガイドラインや専門機関の見解では、数週間にわたり高い水準が続くことがあるとされており、爆心地からの距離や風向きによっては、数カ月単位での避難生活が必要になるケースも否定できません。

そのため、シェルターを導入する際は最低でも数週間~数ヵ月以上滞在することを前提に、電源設備を検討することが大切です。

EMP(電磁パルス)の影響を受ける可能性も

核シェルターには電源設備が備わっているのが一般的ですが、有事の際に必ずしも適切に機能するとは限りません。

なぜなら、核爆発の際はEMP(電磁パルス) が発生し、電源設備にも影響を及ぼす可能性があるからです。

EMPとは、爆発によって生じる強力な電磁波のことで、核シェルター内の発電機や蓄電池は、このEMPによって誤作動が生じたり、完全に使えなくなったりするリスクがあります。

そのため、シェルター内での生活を想定する際には「電気があるから大丈夫」と考えるのではなく、十分な電気が使えないことも想定し「最低限の電力でどう過ごすか」をシミュレーションしておくことが大切です。

また、EMPの影響で電気機器が突然使えなくなることを考慮し、シェルターに入る前にモバイルバッテリーやソーラーチャージャー、手回し発電機といった補助的な電源を持参するのもよいでしょう。

特に通信手段の確保は生存に直結するため、スマホやラジオを維持できる電力を確保しておくことが重要です。

核シェルター内ではスマホやパソコンは使える?

核シェルター内でも、電源が確保されていればスマホやパソコンは基本的に使用可能です。

照明や換気装置に優先的に電力が使われるものの、余力があればスマホの充電やパソコンの稼働もできます。

ただし、以下のような点には注意が必要です。

  • 通信状況は外部依存:核攻撃や災害発生時には、携帯電話回線やインターネットが一時的に遮断される可能性があります。そのため、非常用ラジオや衛星通信など代替手段を用意しておくのが安心です。
  • バッテリーの節約が必須:長期間の避難生活を考えると、不要なアプリや機能はオフにし、最低限の利用にとどめる工夫が求められます。
  • EMPの影響を考慮:電磁パルスで機器そのものが故障する可能性があるため、重要な端末はファラデーケース(電磁波を遮断する袋)に入れて保管する方法も有効です。

避難生活において、パソコンやスマホからの情報収集は不可欠です。

核シェルターに避難する際は、必ずスマホやノートパソコンを持ち込み、可能であればモバイルバッテリーやソーラーチャージャーも準備しておくことをおすすめします。

核シェルターに求められる電源以外の設備

核シェルターには、電源があれば十分というわけではありません。

外部から完全に隔離された空間で一定期間生活するためには、電気以外にも以下のような設備が求められます。

設備 役割・必要性
換気・空調設備 外部の放射性物質や有害ガスを除去し、内部に清浄な空気を供給する。
トイレ・排水設備 密閉空間での衛生管理に必須。簡易トイレや浄化式トイレを導入することで、長期避難でも快適さを維持できる。
食料備蓄スペース 保存食や缶詰、フリーズドライ食品を保管できる棚や収納スペース。最低3日分、可能であれば1週間分以上の備蓄が理想。
個室 避難規模によるものの、個人のプライバシーを守るために個室空間が必要な場合も。
通信設備 外部の状況を把握するためのラジオやアンテナ設備。インターネットや電話が不通でも情報を得られる環境が理想。
耐火・防水設備 火災や浸水に備えるための断熱・防水加工。特に都市部では水害リスクにも対応できる設備が望ましい。

中でも、換気・空調システムは命に直結するため、核シェルターを導入する際はしっかり確認しておきましょう。

核シェルターは設備以外にも構造・性能が重要

核シェルターを導入する際、多くの方が「空調設備」や「発電機」といった内部の機能に注目します。

しかし、いくら内部設備が整っていても、シェルターそのものの構造や性能が不十分であれば本来の役割を果たすことはできません。

そこでここからは、核シェルターに求められる構造と性能について、それぞれ具体的に解説していきます。

核シェルターに求められる構造

核シェルターの構造

核シェルターは「ただの地下室」や「頑丈な部屋」では不十分です。

外部の衝撃や放射性物質から人を守るためには、主に以下のような構造が求められます。

構造 内容
厚い壁・天井 鉄筋コンクリートや強化鋼材を使用し、数十cm〜1m以上の厚みを確保することで爆風や衝撃に耐える。
気密構造 外部の放射性物質や有害ガスを遮断するため、隙間のない密閉構造が必須。気密ドアや気密室などの設置も重要。
非常時の避難経路 1つの入口だけでなく、緊急時に脱出できるバックアップ出口が設けられていると安心。

なお、核シェルターに求められる構造は、シェルターのタイプや何に備えるかによっても変わります。詳しくは、以下の記事で解説していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

核シェルターに求められる性能

エアコン型シェルター

核シェルターは、構造だけでなく性能面も重要です。

特に以下の性能が揃っているかどうかが、導入時の判断基準になります。

性能要件 内容
耐爆・耐衝撃性能 数十トン規模の倒壊や爆風圧に耐えられること。耐久試験データを公開しているメーカーを選ぶと安心。
換気・空気浄化能力 HEPAフィルターや活性炭フィルターを搭載し、放射性物質・化学兵器・有毒ガスを除去できること。
陽圧維持 内部の気圧を高め、外部の有害物質が侵入しない環境を保持。長期避難では特に必須。
耐火・防水性能 火災や津波による浸水を想定した耐久性。地震多発地域の日本では重要度が高い。

これらの性能が備わっていることで、核シェルターは「単なる避難場所」ではなく、生存可能性を大きく高めるための安全空間として機能します。

なお、核シェルターの性能については、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

まとめ|核シェルターでお悩みならHANAREにご相談を

核シェルターを導入する際は「中で電気は使えるのか?」「何日もつのか?」といった不安がつきまといますが、一般的なシェルターには発電機や蓄電池が備えられており、数日から数週間程度の電力供給が可能です。

ただし、EMP(電磁パルス)の影響や燃料不足によって電源が制限される可能性もあるため、「最低限の電力でどう過ごすか」を考えておくことが重要です。

また、核シェルターで快適かつ安全に避難生活を送るためには、電源だけでなく空調・換気、トイレや排水設備、食料備蓄、通信設備、耐火・防水対策 といった設備も欠かせません。

さらに、シェルターそのものの構造や性能が整っていることが、最終的な安全性を大きく左右します。

なお、HANAREでは、核シェルターの導入について、ご希望や予算に応じたご提案から、設計・施工・メンテナンスまでトータルでサポートしています。

もし「核シェルターは気になるけれど導入に踏み切れない」「電源や設備についてもっと詳しく知りたい」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。

有事への備えを早めに始めることが、家族や社員の命を守る最善の行動です。

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