2025.09.13

核シェルターは意味がないって本当?必要性や設置するメリット、種類を解説

核シェルター
核シェルターは意味ない?

「核シェルターは意味がない」といった言葉を目にして、不安に感じたことはありませんか。

近年は台湾有事や北朝鮮の弾道ミサイル問題など、核リスクを意識する場面が増えており、個人で導入を検討する方も少なくありません。しかし、「本当に役立つのか」と疑問を抱く方も多いのが現実です。

確かに、核シェルターは万能ではなく、いくつかの課題や限界が存在します。ただし、それは「意味がない」というよりも「正しい理解が必要」というだけの話です。

爆風や放射性降下物から身を守れる現実的な手段であり、有事の生存率を高める設備であることに違いはありません。

本記事では、核シェルターが「意味がない」といわれる理由を整理したうえで、実際に設置するメリットや種類、費用感についても解説します。

導入を迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

核シェルターは意味がないといわれる4つの理由

地上設置型の核シェルター

核シェルターの導入を検討している方の中には、「本当に意味があるのだろうか?」と不安を感じる人も少なくありません。

実際、インターネット上では「核シェルターは意味ない」といった意見を目にすることもあり、その真意が気になる方も多いでしょう。

そこでここからは、核シェルターは意味がないといわれる理由について、以下4つの観点から解説します。

  • 「核シェルター=100%安全」ではないから
  • 放射能対策には限界があるから
  • 核シェルターの近くにいないとそもそも避難できないから
  • これまでの実績がないから

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

「核シェルター=100%安全」ではないから

核シェルターが「意味がない」といわれる一因は、核シェルターが「100%の安全を保証するもの」ではない点にあります。

実際、核シェルターに避難したとしても、核爆発の直撃や数キロ圏内での甚大な熱線・爆風を完全に防ぐことは困難で、あらゆる状況において生存を保証できるわけではありません。

この現実が「核シェルターに入っても助からないのでは」という疑念につながっています。

しかし、爆心地からある程度離れていれば、核シェルターにいることで爆風や放射線、放射性降下物などの脅威から身を守ることは可能です。

逆に、核シェルターに避難していない場合、爆心地から離れたところにいたとしても、放射線や有毒ガスなどによって甚大な健康被害に遭うリスクがあります。

以上を踏まえると、核シェルターは「100%助かる場所」ではなく、「助かる可能性を高める場所」として、十分に意味があるといえるでしょう。

放射能対策には限界があるから

「核シェルターは意味がない」といわれるもう一つの理由は、放射線や放射性物質の遮断には限界があるからです。

どれほど強固な構造でも放射線を100%遮断することは不可能で、シェルターに備え付けられたフィルターや換気装置にも耐用年数や性能の限界があります。

さらに、そもそも換気システムが備わっていないシェルターもあるため、「意味がない」といわれてしまうのです。

また、核爆発後に降下する放射性物質は、長期にわたって環境を汚染するため、シェルターに避難したとしても、外に出られるまでの時間が延びれば延びるほど、生活物資や空気の循環に課題が生じ、完全な防護は難しくなるでしょう。

ただし、これは「シェルターが無意味」ということではありません。シェルター内と外では被曝リスクに雲泥の差があるうえ、適切なフィルター交換やメンテナンスを行えば、被曝量を大幅に低減できるのは確かです。

核シェルターの近くにいないとそもそも避難できないから

核シェルターが「意味がない」といわれる理由の一つとして、「発生時に近くにいなければ使えない」という点も挙げられます。

核攻撃や原発事故は予測が難しく、Jアラートや速報が流れてから実際に着弾・被害が及ぶまでの時間はわずか数分〜十数分程度とされています。

そのため、自宅や職場にシェルターを設置していても、発生時にそこに居合わせなければ避難が間に合わない可能性があるのです。

特に都市部では移動中や外出先にいることも多く、「結局シェルターを利用できないのでは?」という疑問が生じます。これが「意味がない」とされる大きな背景の一つです。

これまでの実績がないから

核シェルターが「意味がない」といわれる理由の一つに、実際に核攻撃や放射能被害から人々を守った事例が存在しないという点もあります。

日本はおろか、世界中を見渡しても核シェルターによる実際の防護事例はないため「本当に役立つのか」「有事に機能するのか」といった疑念を抱かれやすいのです。

ただし、実績がないのは「役に立たないから」ではなく、「幸いにも使う事態に至っていない」だけともいえるでしょう。

そもそも防災設備は使わないことが理想であり、万が一のときに備えて導入しておくことが本来の目的です。核シェルターも同様に、「実績がない」ことを理由に必要性を否定するのは適切とはいえません。

核シェルターには意味がある!設置するメリット3つ

ここまで「核シェルターは意味がない」といわれる理由を見てきましたが、これらはあくまでも限界や課題を強調した見方にすぎません。

実際には、核シェルターを設置することで命を守れる可能性が大きく高まるのは事実です。

ここからは、核シェルターを設置することで得られる代表的なメリットを以下3つに絞って解説します。

  • 放射線や放射性降下物から身を守れる
  • 長期の避難生活にも対応できる
  • 核以外の災害時にも避難場所として使える

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

放射線や放射性降下物から身を守れる

避難所としても活用できる核シェルター

核シェルターの最大のメリットは、爆発後に降り注ぐ放射性降下物や放射線から身を守れることです。

核攻撃の際に最も怖いのは、核爆発後の放射線や放射性物質といっても過言ではありません。なぜなら、放射性降下物は、爆発後数時間から数日にわたって地上に広がり、呼吸器や食料・水を通じて体内に取り込まれることで深刻な健康被害を引き起こすからです。

その点、核シェルターは厚いコンクリートや鋼鉄の壁、特殊フィルターを備えた換気システムによって、外部の有害物質を遮断・除去することができます。

また、陽圧環境を維持できるシェルターであれば、外部よりも内部の気圧を高く保つことで、隙間から外気が侵入することを防ぐことも可能です。

長期の避難生活にも対応できる

部屋型シェルター

核爆発や原発事故のあとは、放射線量が高い状態が数日から数週間続く可能性があります。

この間に外に出るのは極めて危険であり、安全が確認されるまでは屋内で生活を続けなければなりません。

核シェルターは、そうした長期の避難生活に対応できるよう設計されている点も大きなメリットです。

シェルターによっては、高性能な換気装置やフィルターによって清浄な空気を取り込めるほか、飲料水や食料、医薬品などを備蓄するスペースも設けられているため、家族単位で数日〜数週間を安全に過ごせるでしょう。

つまり核シェルターは「一時的に逃げ込む場所」にとどまらず、「一定期間の生活を守る避難空間」としての機能を備えているのです。

核以外の災害時にも避難場所として使える

核シェルターというと「核攻撃専用の施設」というイメージを持たれがちですが、実際には地震・津波・火災・水害など、さまざまな災害時に避難場所として活用できるものも多く存在します。

たとえば、HANAREで取り扱うWNI社の核シェルター「令和の要塞 サバイブ」は、放射性物質・生物兵器・化学兵器・耐震・暴風・台風・竜巻の7つの災害に対応。

核シェルターとしてだけでなく、さまざまな脅威から身を守ることができます。

核シェルターの内部でくつろぐ人

なお、近年のシェルターは「多目的利用」を前提に作られており、平常時は防音室やワークスペース、シアタールームとして活用できるものも少なくありません。

実際、WNI社のシェルターはその気密性の高さを活かして、普段は酸素カプセルルームとして使うことも可能です。このように、非常時だけでなく日常生活でも利用できれば、投資に見合う価値を感じやすいでしょう。

日本の核シェルター普及率は世界的に見ても低い

普及率

核の脅威に備えられるという点で大きな意味がある核シェルターですが、日本では人口に対する普及率がわずか0.02%程度と非常に低いのが現状です。

これは「核攻撃の可能性が低い」とされてきた歴史的背景や、住宅事情、コスト面での課題が影響しています。

一方、海外に目を向けると状況は大きく異なります。

たとえばスイスでは、過去に法律で「新築住宅や集合住宅にはシェルターを設置すること」が義務づけられていたことがあり、国民全員が避難できるだけの収容力を確保しています。

また、イスラエルでも同様にシェルター設置が義務化されており、家庭用や地域のシェルターが整備済です。

さらに韓国では法的義務はないものの、冷戦期から整備が進んだことで、各地の核シェルターが整備されています。

このように海外では「国家の安全保障」としてシェルターを位置づけていますが、日本では整備がほとんど進んでいないのが現状です。

だからこそ、個人レベルでの備えが重要だといえるでしょう。

日本の核リスクは「核戦争」だけじゃない

日本が直面している核リスクは、核兵器による攻撃だけではありません。

日本には原子力発電所が各地に存在し、地震や津波などの自然災害によって重大事故が発生する可能性もあるのです。

過去の福島第一原発事故のように、万が一放射性物質が大気や水に漏れ出した場合、広範囲に深刻な影響が及びます。

このような状況下では、放射性降下物や汚染された外気から身を守るために核シェルターが大きな役割を果たします。

以上を踏まえると、核戦争という極端な事態だけでなく、原発事故や放射能漏れといった「現実に起こり得るリスク」への備えとして、核シェルターの導入を検討することには大きな意味があるといえるでしょう。

地下型?屋内型?核シェルターの4つの種類

核シェルターと一口にいっても、設置方法や構造によっていくつかの種類に分かれます。

ここからは、代表的な核シェルターのタイプとして以下4つを取り上げ、特徴やメリットを解説していきます。

  • 地下型
  • 地上型
  • 屋内設置型
  • エアコン型

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

地下型

核シェルター

地下型の核シェルターは、地中に埋設することで高い防御性能を発揮するタイプです。

厚い土やコンクリートに覆われることで爆風や衝撃波のエネルギーを地盤が吸収し、シェルターへの負荷を大幅に減らせます。

また、放射性降下物や有害物質が地表に降り注いでも、地下にいることで直接の被曝リスクを避けやすい点も大きなメリットです。

大型のタイプでは水や食料、医療用品を備蓄できるスペースも十分に確保できるため、数週間にわたる避難生活にも対応可能です。

一方で、掘削工事や防水対策が必要となるため、設置費用は数百万円から数千万円と高額になる点には注意しましょう。

地上型

地上型シェルター

地上型の核シェルターは、庭や敷地内にコンテナや専用ユニットを設置するタイプを指します。

地下工事が不要なため比較的施工が容易で、短期間で導入できるのが特徴です。厚い鋼鉄やコンクリートで造られており、爆風や瓦礫の落下から身を守れるほか、気密構造と換気装置を備えることで放射性降下物の侵入も防げます。

ただし、地下型に比べると耐衝撃性はやや劣るため、爆心地に近いエリアでは防御力に限界があります。

また、都市部の住宅密集地では設置スペースが確保しにくい点も課題です。

屋内設置型

コンテナ型シェルター

屋内設置型とは、室内にそのまま設置できる“コンテナ型”の核シェルターです。

部屋そのものを補強するのではなく、既存の室内スペースに独立したシェルターを設置することで、核のリスクから身を守ることができます。

最大のメリットは、地下工事が不要で短期間で導入できる点。都市部やマンションなど敷地に余裕のない住宅でも設置しやすく、普段は倉庫や作業スペースとしても活用できます。

また、地震による建物の倒壊や落下物にも耐えられる強度を持つため、核災害だけでなく大地震の際の避難場所としても利用可能です。

一方で、大量の備蓄をするのは難しいうえ、地下型や地上型と比べると耐久力が劣る点には注意しましょう。

エアコン型

エアコン型シェルター

エアコン型の核シェルターは、既存の部屋に専用の換気装置を後付けすることで、室内をシェルター化するタイプです。

見た目は一般的な空調設備に似ていますが、特殊なフィルターを通じて外気を浄化できるため、有事の際も放射性降下物や有害ガスを遮断しつつ安全な空気を確保することができます。

また、設置工事が比較的簡単で、壁や天井に大掛かりな補強を行う必要がないのもメリット。スペースに余裕のない都市部やマンション住まいの家庭でも現実的な選択肢となります。

ただし、建物自体の耐衝撃性までは強化されないため、爆風や建物の倒壊などには備えられない点に注意が必要です。あくまでも「放射能対策に特化した簡易シェルター」としての位置づけであることを覚えておきましょう。

核シェルターの設置にかかる費用

核シェルターの設置費用は、タイプや規模、設置場所によって大きく変動します。

各タイプごとにかかる費用について、以下の表で確認してみましょう。

タイプ 本体価格の目安
地下型シェルター 約2,000万〜3,000万円超
地上型シェルター 約700万〜1,500万円
屋内設置型シェルター 約400万〜800万円
エアコン型シェルター 約150万〜300万円

なお、核シェルターを設置する際は、上記の本体価格のほかに設置工事費用がかかります。搬入が難しいマンションや遠方に埋設する場合などは工事費が高額になる可能性もあるので、事前の見積もりを必ず確認しましょう。

さらに、核シェルターは「購入すれば終わり」ではなく、維持・管理にもコストがかかります。換気フィルターの交換や防水設備の点検など、定期的なメンテナンスを怠ると有事の際に性能を発揮できなくなるリスクがあるので注意しましょう。

核シェルターの導入コストを正確に把握するには、本体価格・設置費用・ランニングコストを含めた総額をチェックすることが大切です。

まとめ|核シェルターの導入にお悩みならHANAREへご相談を

核シェルターは「意味がない」といわれることもありますが、それは100%の安全が保障されていないことや、避難できる条件が限られるといった課題を指摘したものにすぎません。

実際には、爆風や放射線、放射性降下物などから身を守れるという点で核シェルターには大きな意味があります。

とはいえ、日本は世界的に見ても核シェルターの普及率が非常に低く、国家レベルでの整備はほとんど進んでいません。そのため、自分や家族を守るためには、個人が主体的に導入を検討することが重要です。

HANAREでは、限られたスペースや予算に合わせたシェルターのご提案から、設計・設置・メンテナンスまで一貫してサポートしています。「核シェルターは気になるけど本当に必要なのか」「費用感や導入方法を詳しく知りたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。有事に備える第一歩を、今から一緒に踏み出しましょう。

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