2025.08.05

核シェルター設置に使える補助金はある?費用相場や安く抑えるポイントも紹介

核シェルター
核シェルター補助金

近年、台湾有事の懸念が高まるなかで注目を集めているのが「家庭用核シェルター」です。

自宅に核シェルターがあれば、万が一の際に家族や自分を命の危険から守ることができます。

しかし、核シェルターは決して安い買い物ではありません。設置コストが高いことから「補助金で少しでも安くならないか」と情報を探している方も多いのではないでしょうか。

この記事では、日本における核シェルター設置の補助金制度の有無や費用相場、コストを抑える具体的な方法を紹介します。

万が一の事態に備え、核シェルターの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

日本には核シェルター向けの補助金制度はない

2025年8月時点、日本には核シェルターの設置で利用できる補助金制度はありません。

日本での防災対策といえば、地震や台風、豪雨などの自然災害に対するものが中心で、核攻撃や有事に備えるための制度は設けられていないのが実情です。

そのため、核シェルターを設置した場合、原則として設置する人が費用の全額を負担しなければなりません。

なお、世界には日本と異なり、補助金制度などによって核シェルターの普及が進んでいる国もあります。

また、日本でも企業向けの核シェルター補助金制度が検討されるなど、今後の動向に注目が集まっているのも事実です。

そこでここからは、世界各国の核シェルター補助金制度の現状や、日本における補助金制度の動向について見ていきましょう。

世界各国の核シェルター補助金制度の現状

世界各国では、公共施設だけでなく個人宅にも核シェルターが広く普及しています。

日本核シェルター協会によると、各国の核シェルターの普及率は、スイスやイスラエルで100%※1、アメリカでも約80%※1となっています。

これは、日本の核シェルター普及率である0.02%と比べると、非常に高い数値です。

このような高い普及率の背景にあるのが、行政による補助金制度や設置義務制度です。

例えば、アメリカでは1970年まで核シェルター設置に対して補助金が支給されていたほか、スイスでは1967年から2011年まで、個人宅に核シェルターの設置が義務付けられていました。※2

また、イスラエルでも住居内に壁を強化した専用区画を設けることが義務付けられています。

このように、国単位で核シェルターの設置に取り組んできたからこそ、高い普及率を保っているのです。

※1出典:「世界各国のシェルター設置状況」ANSCAR SHELTER

※2出典:「シェルター建設指針の変遷。「TWP1966~TWP1984~TWK2017」」NPO法人日本核シェルター協会

企業向けの核シェルター補助金制度は検討段階

日本政府は、ミサイル攻撃などの有事の際に国民の命を守るため、核シェルターの普及を本格的に進める方針を示しています。

実際、2024年度にはシェルターを設置する企業に対する財政支援策を打ち出す案が検討されているほか、2025年2月には首相が「年度末までに全国でのシェルター確保に対する方針を策定する」と明かしています。

これらを踏まえると、今後も核シェルターの設置を対象とした制度の整備・導入が進んでいくことが想定されるでしょう。

とはいえ、まだ検討段階であることに変わりはありません。現段階で核に備えるためには、個々の対策が不可欠だといえるでしょう。

日本で核シェルターが普及しづらい理由

核シェルター

日本で核シェルターが普及が進まない理由としては、導入コストの高さや補助金制度がないことに加え、日本の住宅事情にマッチしないことが挙げられます。

核シェルターの設置にかかる費用は、簡易的なタイプでも数百万、高機能なものになると数千万円に及ぶことも珍しくありません。

しかし、日本には核シェルターの補助金制度がなく、個人がこれらの金額を自己負担で設置するのは難しいのが現状です。

また、日本の都市部は狭い住宅が多く、核シェルターを設置するための十分なスペースが確保できないという問題もあります。

さらに、マンションやアパートでは管理組合の判断と住民の合意が必要となるため、設置へのハードルは高いでしょう。

こうした課題が、日本で核シェルターの普及が進まない要因となっているのです。

核シェルターの設置にかかる費用はどれくらい?

日本には核シェルターの補助金制度がないものの、種類によっては比較的安価で設置できるものもあるため、個人で導入できる可能性もゼロではありません。

核シェルターには、エアコン型・地下型・地上型・屋内設置型などの種類があり、設置費用もそれぞれのタイプによって異なります。

以下では、4つのタイプごとに費用や特徴をまとめました。予算や自分たちにどのタイプが合っているのかを考える際の参考にしてください。

核シェルターのタイプ 費用目安 特徴
エアコン型 150万〜300万円 自宅や敷地内に放射能除去フィルター付きのエアコンを設置し、密閉空間をつくるタイプ。比較的安価で設置可能。マンションや戸建て対応。
地下型 2,000万〜3,000万円超 地下に埋設するタイプ。頑丈なコンクリート造で爆風や放射線に強く、長期間の避難生活にも対応している。
地上型 700万〜1,500万円 倉庫や物置のようなシェルターを庭などに設置するタイプ。地下型より低コストで設置でき、施工期間も短い。地上にある分、災害時にも脱出困難となるリスクが低い。
屋内設置型 400万〜800万円 自宅の一室に設置可能なユニット型。庭がない戸建てやマンションにも設置可能で、普段は部屋や倉庫としても活用できる。

なお、核シェルターの費用については、以下の記事でも詳しく解説しています。気になる方は合わせてチェックしてみてください。

核シェルターの値段はいくら?設置費用や本体価格の相場をタイプ別に解説

核シェルターの設置費用を安く抑える方法

日本には核シェルター設置に対する補助金制度がないものの、設置費用を抑える方法がないわけではありません。

ここでは、核シェルターの費用を安く抑えるための方法として、以下5つを紹介します。

  • 耐震シェルターの補助金制度を利用する
  • 複数の企業から相見積もりを取る
  • 目的に合わせたタイプを選ぶ
  • 土地代が安い郊外に移り住む
  • 核シェルター付きの物件に住む

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

耐震シェルターの補助金制度を利用する

核シェルター設置の費用を抑えるために、核シェルターを「耐震シェルター」として導入し、補助金を活用できないか検討してみましょう。

近年、多くの自治体では地震による建物倒壊からの命を守るため、耐震シェルターの設置に対する補助金制度を設けています。

本来、核シェルターは耐震シェルター補助金の対象ではありません。

しかし、核シェルターの中には耐震シェルターとしての役割を担うものもあるため、場合によっては補助金の対象となるケースがあるのです。

核シェルター

たとえば、当社が取り扱っているWNI社の室内設置型の核シェルター「最後の砦」は、耐震性能も備えたシェルターなので、補助金の対象となる可能性があります。

ただし、補助金の対象となるかは自治体によって異なる点に注意が必要です。

「補助金を使えると思ったのに使えなかった」という事態にならないよう、導入前に必ず自治体の窓口へ相談するようにしましょう。

なお、各自治体における耐震シェルター補助金については、以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。

複数の企業から相見積もりを取る

オフィス内の核シェルター

核シェルターの導入費用を抑えるうえで、もっとも基本的で効果的な方法が「相見積もり」です。

シェルターを購入する際、1社だけに相談して即決してしまうと、相場より高い金額で契約してしまう可能性があります。

一方、複数の業者に同じ条件で見積もりを依頼することで、以下のようなメリットが得られるでしょう。

  • 費用の相場感を把握できる
  • 価格交渉の材料になる
  • サービス内容や保証体制の比較ができる

特に、核シェルターは製品の種類や設置条件によって費用に大きな差が出るため、2〜3社以上から見積もりを取ることをおすすめします。

「この内容なら〇〇社の方がコストパフォーマンスがいい」と判断できれば、予算内でより高性能なシェルターを選べるはずです。

目的に合わせたタイプを選ぶ

避難所としても活用できる核シェルター

核シェルターには、エアコン型・地下型・地上型・屋内設置型などのタイプがあり、それぞれで費用相場は大きく異なります。

そのため、予算はもちろん、自分たちのライフスタイルや家族構成、想定するリスクに合ったタイプを選ぶことが重要です。

たとえば、郊外や地方で敷地に余裕があるご家庭であれば、耐久性に優れた地下型・地上型が選択肢に入ります。

一方で、設置コストを重視するなら屋内設置型やエアコン型などが候補になるでしょう。

このように、目的を明確にしたうえでタイプを選ぶことで、費用を抑えることにもつながります。

土地代が安い郊外に移り住む

地上型シェルター

核シェルターをできるだけ安く設置したいなら、土地代が安い郊外へ移住するのも選択肢の一つです。

そもそも、地下型や地上型の核シェルターを設置するには、ある程度の敷地面積が必要です。

そのため、都心部では設置するための土地を用意するだけでも膨大な費用がかかってしまうでしょう。

その点、郊外であれば都心部と比べてリーズナブルな価格で土地を手に入れることができます。

また、周囲の建物密集度が低いなど、設置に適した土地が見つかりやすい点もメリットです。

核シェルター付きの物件に住む

部屋型シェルター

核シェルター設置のために引っ越しも考えられるなら、核シェルター付きの物件に住むことも検討しましょう。

近年では、 富裕層向けの一戸建てや分譲マンションなどで、核シェルター付き物件が登場しています。

当然、通常の物件よりも費用は高くなりますが、家と核シェルターを別々に購入するよりも費用ははるかに抑えられるはずです。

また、核シェルターの設置工事や見積もりにかかる期間も不要なため、引っ越し直後から「核シェルターのある生活」をスタートできます。

核シェルター付きの物件はまだ数が限られていますが、今後は増加する可能性があります。

住宅購入を検討している方は、核シェルター付き物件の情報もチェックしておくとよいでしょう。

まとめ|核シェルターでお悩みならHANAREにご相談を

核シェルターは、有事の際に命を守るための大切な備えです。

近年は国際情勢や防災意識の高まりを背景に、家庭用の核シェルターに関心を持つ人は増えていますが、日本では補助金制度が整っておらず、導入ハードルは決して低くありません。

しかし、耐震シェルターの補助金制度を利用したり、土地や物件選びを工夫すれば、費用を抑えることも可能です。

なお、HANAREでは「どのタイプを選べばいいかわからない」「予算に合った核シェルターを選びたい」といった疑問・ニーズに合わせて、最適な製品をご提案します。

「そもそも設置できるのかがわからない」「どれくらい費用がかかるのか知りたい」といった段階でもかまいませんので、まずはお気軽にご相談ください。

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