シェルターの値段はどれくらい?安く抑えるポイントや設置すべき理由を解説

万が一の備えとして、注目を集めている「防災シェルター」。
一昔前までは特殊な施設のイメージが強かったものの、近年では地震・津波・ミサイル・放射能といったリスクの高まりを背景に、家庭用として導入する人も増えています。
とはいえ、やはり気になるのは「費用」です。
本体価格に加えて設置費用もかかるため、「どれくらいの予算を見ておけばいいの?」「コストを抑える方法はある?」と疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、シェルターの価格相場を種類やタイプ別に詳しく解説するとともに、費用を抑えるためのポイントや注意点も紹介します。
災害から家族を守る“最後の砦”として、シェルター設置を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
シェルターとは?
「シェルター」と聞くと、ペットの保護施設や女性の保護シェルターなど、さまざまな意味を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、本記事で扱うのは、地震・核・ミサイルといった有事の災害から命を守るための「防災シェルター」です。
防災シェルターとは、地震や津波などの自然災害、あるいは核攻撃・爆発・有害ガスといった人為的災害から、居住者の身体を保護するために設計された専用の安全空間のこと。
コンクリートや鉄、鉛などの頑丈な素材で作られており、空気ろ過装置や換気システムを備えたタイプも存在します。
最近では、住宅の一室に設置できるものから、屋外や地下に建設する本格的なものまで選択肢も広がっており、「家庭の防災対策」としてシェルターを検討する個人も増えています。
シェルターの値段は本体価格+設置費用
シェルターの値段を比較する際には「本体価格」だけを見て判断してしまわないように注意しましょう。
シェルターを設置する際は、本体価格のほかに設置工事や搬入などにも費用がかかるため、費用総額での比較が不可欠です。
たとえば、地上設置型のシェルターであれば、基礎工事・搬入・電気配線・通気口の設置などが必要になります。これらの費用だけで数十万〜数百万円程度の追加コストが発生することもあり、設置費用が本体価格の1.5〜2倍になるケースも珍しくありません。
逆に、屋内組み立て型や家具一体型であれば、設置工事が不要または簡易的に済むため、初期費用を抑えることも可能です。
「本体価格+設置費用」=実際に必要な予算と考え、購入前には必ず見積もりを取って費用の全体像を把握しておきましょう。
シェルターの値段はいくら?相場はどれくらい?
シェルターの価格帯は、種類や素材、設置方法によって大きく異なります。
ここからは、代表的なシェルターである「核シェルター」と「耐震シェルター」の2種類について、それぞれのタイプごとに価格相場を紹介します。
なお、ここで紹介する価格はシェルターの「本体価格」です。
設置費用については施工会社や設置するシェルターによっても大きく異なるため、事前に見積もりを取って確認するようにしてください。
核シェルターの値段相場
核シェルターは、爆風・熱線・放射線・有毒ガスなどから身体を守るために設計されたシェルターです。
高性能なモデルでは、空気ろ過装置・バッテリー・水や食料の備蓄スペース・遠隔監視装置などが標準搭載されており、数日〜数週間の避難生活に耐える設計となっています。
素材・構造・換気設備に高度な仕様が求められるため、耐震シェルターと比べて価格は高額になる傾向があります。
以下は、核シェルターの代表的なタイプ別の価格相場です。
タイプ | 材質 | 価格目安 |
地下型 | 鉄筋コンクリート造 | 2,000万〜3,000万円超 |
地上型 | 鉄筋コンクリート・鉄・高強度鋼・鉛など | 700万〜1,500万円 |
屋内設置型 | 鉄筋コンクリート・鉄・高強度鋼・鉛など | 400万〜800万円 |
エアコン型 | – | 150万〜300万円 |
※価格はあくまでも目安です。サイズ・装備・遮蔽性能により大きく変動します。
費用は高いものの、「とにかく安全性が高いシェルターが欲しい」という場合は、核シェルターが有力な選択肢となります。
核シェルターの詳しい費用や製品事例は、以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
耐震シェルターの値段相場
耐震シェルターは、主に地震による倒壊・落下物から身を守ることを目的としたシェルターです。
素材や設置方法によって価格は大きく異なり、簡易的な家具一体型から、部屋全体を囲う大型タイプまでさまざまな選択肢があります。
以下は、耐震シェルターの代表的なタイプ別の価格相場です。
タイプ | 材質 | 価格目安 |
部屋型 | 木・鉄など | 約20万〜450万円 |
コンテナ型 | 鉄・コンクリート・鉛など | 約400万〜1,300万円 |
ベッド型 | 鉄・鋼・強化スチールなど | 約25万〜100万円 |
テーブル型 | 鉄・鋼・強化スチールなど | 約20万〜60万円 |
※価格はあくまでも目安です。サイズや設置場所などによって大きく変動します。
部屋型やベッド型は、比較的安価に導入でき、屋内での安全を確保しやすい点が魅力です。
一方、コンテナ型は高額ですが、防災性能が高く、災害後の孤立に備えた設備も充実しています。
詳しい価格や施工費用については、以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
シェルターは意味ない?費用を払ってでも設置すべき理由
「シェルターって高いだけで本当に意味があるの?」
「結局使う機会なんて来ないのでは?」
高い費用を払ってシェルターを購入することに対して、このような気持ちになる方もいるでしょう。
しかし、最近では南海トラフ地震や北朝鮮によるミサイルのリスクなど、想定外の災害リスクは年々高まっていると言われています。
そんな中で、シェルターが命を守る「最後の砦」となる可能性もあるのです。
ここでは、費用をかけてでもシェルターを設置する意義やメリットについて、3つの視点から解説します。
災害時や有事の際にすぐに避難できる
シェルターを設置する最大のメリットの一つは、有事の際に即座に避難できる安全空間を確保できることです。
大地震やミサイル攻撃といった突発的な災害が起きたときは、「どこに逃げればいいかわからない」「避難所まで間に合わない」といったケースも十分考えられます。
その点、家の中や敷地内にシェルターがあれば、数秒〜数十秒以内に避難が可能です。
リビングや寝室など普段から家族が集まる場所にシェルターが設置されていれば、「その場から動かずに身を守る」こともできるでしょう。
「災害はいつ起こるかわからない」からこそ、あらかじめ自宅内に避難先を確保しておくことには大きな意味があるのです。
”万が一”が起きる可能性が高まっている
近年は、“万が一”が現実味を帯びてきている時代です。
実際、政府の地震調査委員会によると、今後30年以内に南海トラフ地震が発生する確率は80%程度とされており、甚大な被害が想定されています。
また、首都直下地震についても、同期間内に発生する確率が約70%と指摘されており、もはや遠い未来の話ではありません。
さらに、国際情勢の不安定化により、核攻撃やミサイル着弾のリスクもかつてより現実的な脅威となっています。
特に近年では、北朝鮮による弾道ミサイル発射実験や台湾有事に関するニュースが増えており、日本政府もJアラートを活用した避難情報の強化を進めています。
こうした背景を踏まえると、シェルターの設置は「無駄な保険」ではなく、命を守るための現実的なリスク管理のひとつといえるでしょう。
長期間の避難にも対応できる
一部の高性能シェルターは、一時的に避難するだけでなく、数日〜数週間にわたる長期避難にも対応することができます。
たとえば、地下型の核シェルターは以下のような設備を備えており、災害が長引いた場合や外部との連絡が絶たれた状況でも、生活を維持することが可能です。
- 空気ろ過装置
- 酸素供給システム・換気装置
- 非常用バッテリー・予備電源
- 水や食料の備蓄スペース
- 仮設トイレや簡易洗面スペース
災害のあとに怖いのは、津波や有毒ガス、放射能といった二次被害です。これらの被害から身を守るためにも、費用をかけてシェルターを設置する意味は大いにあるといえるでしょう。
シェルターの値段を安く抑えるポイント
シェルターの設置には少なくとも数十万円、高いと数千万円の費用がかかるため、「少しでも費用を抑えたい」と考える方も多いでしょう。
そこでここからは、シェルターの費用をできるだけ抑えるために活用できる6つの具体的な方法を紹介します。
自治体の補助金制度を利用する
シェルターの設置費用を少しでも抑えたい場合は、各自治体の耐震化補助金制度を利用できないか検討してみましょう。一部の自治体では、耐震シェルターの設置費用に対して、補助金を出しているケースがあります。
たとえば東京都の一部自治体では、耐震シェルターの設置に最大30万円の補助金が設けられており、耐震診断も無料で受けることが可能です。
ただし、これらの補助の対象はあくまで“耐震シェルター”であり、核シェルターは原則として対象外である点に注意しましょう。
また、補助金を受け取るには以下のような条件を満たす必要があります。
- 建物の築年数や耐震基準を満たすこと
- 自治体指定の製品・業者で施工すること
- 申請期間内に必要書類を提出すること
条件や補助金額などは自治体によって異なるので、詳細は各自治体の公式サイトで確認するようにしましょう。
なお、以下の記事では耐震化補助金制度について詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
複数の販売店から相見積もりを取る
シェルターの導入費用を抑えるためには、複数の販売店から相見積もりを取るのが基本です。
製品の仕様や価格はもちろん、設置工事の範囲や保証内容などは業者ごとに異なります。1社だけで決めてしまうと、思わぬ追加コストがかかったり、あとあと不満につながったりする可能性があるでしょう。
なお、見積もりを比較する際は、以下のポイントに注目してください。
- 本体価格と設置費用の内訳が明確か
- どこまでの工事が見積もりに含まれているか
- アフターサポートや保証制度の有無
- 提案内容や説明に信頼感があるか
単なる「価格の安さ」だけでなく、信頼できる会社かどうか、総合的なバランスを見て選ぶことが、納得のいくシェルターの設置にもつながります。
シェルター付きの物件に住む
最近では、一部の住宅や別荘地において、シェルターを標準装備した物件も登場しています。
シェルター付きの物件は、あらかじめ建物と一体化して設計・施工されているため、あとから設置するよりもコストを抑えやすいのが大きなメリットです。
「今の家に後付けするのは難しい」「家の購入も検討している」という方は、シェルター付きの不動産物件も選択肢に入れてみるとよいでしょう。
土地代が安い郊外に住む
シェルターの設置費用を抑えるもう一つの方法として、土地価格の安い郊外に居住することも挙げられます。
地下型や地上型といった本格的なシェルターを設置する場合は、広い敷地や施工スペースの確保が必要です。
そのため、地価が高い都市部ではそもそも設置が難しいケースもあります。
その点、郊外や地方では土地が広くコストも低いため、大型のシェルターを設置しやすい環境が整っています。
「都会では設置が難しい」と感じている方も、郊外という選択肢を検討してみると、より柔軟かつコストパフォーマンスのよい導入が実現できるかもしれません。
自宅や目的に合ったシェルターを選ぶ
シェルターには核シェルターや耐震シェルターなどの種類があるほか、地下型や地上型、屋内設置型などさまざまなタイプがあり、それぞれで値段が大きく異なります。
そのため、必要以上のコストを抑えるには、以下のように目的やリスク想定に合った種類・タイプを選ぶことが大切です。
- 室内で最低限地震に備えたい → 家具型の耐震シェルター
- 地震や核攻撃、津波などさまざまな災害に備えたい → 地下型の災害シェルター
- 自宅内で放射能や有毒に備えたい → 屋内設置型の核シェルター
自分にとって本当に必要な機能に絞ることで、コストを抑えつつ万が一に備えることができます。
設置しやすさでシェルターを選ぶ
シェルターの導入コストを抑えるには、「設置のしやすさ」に注目することも大切です。設置に大規模な工事が必要なタイプだと、どうしても工事費が高くついてしまうからです。
たとえば、当社で取り扱っている「WNI Shelter」は搬入・施工の手間が少なく、1日〜数日程度の短工期で設置可能。
大がかりな基礎工事やクレーン手配が不要になる場合もあり、工事費用を大きく抑えることができます。
設置費用は住宅への搬入経路や設置場所などによっても異なりますが、決して安くはないので注意しましょう。
シェルターを値段だけで選ぶのはNG
シェルターを選ぶ際、「できるだけ安く済ませたい」と考えるのは自然なことです。
しかし、価格の安さだけを基準に選ぶのは非常に危険といえます。
なぜなら、シェルターは命を守る“最後の砦”だからです。
いざというときに性能が不十分だったり、設置場所や家の構造に合っていなかったりすると、十分な避難機能を果たせないおそれがあります。
もちろん、補助金制度の活用や複数社からの相見積もりを取ることなど、コストを抑える工夫は重要です。
しかし、最優先すべきなのは「安全性・耐久性・機能性」といった本質的な性能です。
価格だけにとらわれず、信頼できるメーカーや施工実績のある業者を選ぶこと。そして、万が一のときに本当に守ってくれる製品かどうかを基準に、納得のいく選択をしましょう。
まとめ|シェルター選びでお悩みならHANAREにご相談を
シェルターの値段は、種類や性能によって数十万円から数千万円と幅があります。
そのため、自宅や何に備えるかといった目的に合ったタイプを選ぶことが何よりも重要です。
また、費用はシェルター導入における大きな要素ですが、命を守る設備である以上、安さだけを重視するのは危険です。
安さを追い求めるがあまり、性能や安全性が疎かになっては意味がありません。補助金や相見積もりなどを活用しつつも、「万が一のときに命を守れるか」という基準で選ぶようにしましょう。
もし、シェルター選びに悩んでいるなら豊富な実績と知見をもつHANAREまで、ぜひ一度ご相談ください。