2025.08.26

耐震シェルターの設置基準は?新耐震基準・旧耐震基準の違いも詳しく解説

災害シェルター
耐震シェルターの設置基準

「耐震シェルターを設置するべきかどうかの基準は?」

「耐震シェルターは何を基準に選べばいいの?」

南海トラフ巨大地震などの災害リスクが高まっている昨今、耐震シェルターを導入することは身を守るための有効な手段です。

しかし、耐震シェルターは身近にあるものではないため、どのような基準で選べばよいのかわからず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、耐震シェルターの設置基準について解説します。

新耐震基準・旧耐震基準の違いなども詳しくまとめているので、耐震シェルターの設置を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

耐震シェルターを設置する物理的・法的・環境的基準は?

耐震シェルターを設置するためには、まず「耐震シェルターを設置できるかどうか」という点について、物理的基準・法的基準・環境的基準の3つを満たさなければなりません。

ここでは、それぞれの基準について、詳しく見ていきましょう。

物理的基準

物理的基準

耐震シェルターを設置する際は、まず物理的基準を満たしている必要があります。

特に重要なのは、「設置個所の床がシェルターの重さに耐えられるかどうか」です。

地下や地面に耐震シェルターを設置する場合、床の耐久度は気にしなくてもよいケースがほとんどでしょう。

しかし、建物の2階に設置する場合などは、建物全体の耐震性に影響が出るため、安全性・耐久性を確かめるための「構造計算」が必要になることもあるのです。

とはいえ、物理的に耐震シェルターを設置できるかどうかの判断は簡単ではありません。

屋内にシェルター設置を検討している場合は、当社HANAREのような専門家に相談し、物理的に設置が可能かどうか確認するようにしましょう。

法的基準

法的基準

耐震シェルターを設置する際は、法的基準が関わってくる点にも注意が必要です。

例えば、地上に設置するシェルターの床面積がおおむね10平方メートルを超える場合などは、建築確認申請が必要になる可能性があり、建物としての安全確保を図るため、工事着手前に申請手続きを済ませておかなければなりません。

また、マンションの一室にシェルターを運び込む場合は、管理組合の許可が必要なケースもあるなど、さまざまな法律や規約などが関係してきます。

これらの法的基準を満たすかどうかについては、施工会社やシェルターの販売元が確認し、サポートを受けられるケースがほとんどですが、見逃していると罰則を受ける可能性もあるので十分注意してください。

環境的基準

環境的基準

シェルターを設置する際には、環境的基準を満たしているかも意識しておきましょう。

特に、チェックするべきは避難導線です。

緊急時、速やかに避難するための通路が確保されていなければ、シェルターを設置する意味が薄れてしまいます。

また、日本のような高温多湿な気候の土地にシェルターを設置する場合は、室内の温度や湿度についても考慮しておく必要があります。

シェルター内の環境を完全にコントロールすることは難しいので、長期間の避難生活を想定し、真夏の猛暑や真冬の厳寒にも対応できる対策をとることが重要です。

具体的には、停電時でも使えるバッテリー式の冷風機や防寒具を備えておくとよいでしょう。

耐震シェルターを設置する際に欠かせない「耐震基準」とは?

次に、耐震シェルターを「設置すべきかどうか」という基準について解説します。

結論からお伝えすると、耐震シェルターを導入するかどうか悩んだときは、居住建物の耐震基準をひとつの目安にするのがおすすめです。

耐震基準には、「新耐震基準」と「旧耐震基準」の二つがあり、それぞれ以下のように違いがあります。

地震の規模 旧耐震基準 新耐震基準
中規模地震

(震度5強前後)

倒壊・崩壊しない 軽微なひび割れ程度にとどまる
大規模地震

(震度6~7前後)

規定なし

(倒壊・崩壊のリスクあり)

倒壊・崩壊しない

ここからは、それぞれについてより詳しい基準や見分け方などを見ていきましょう。

旧耐震基準とは

地震で倒壊する家

旧耐震基準とは、建築基準法によって1981年5月31日まで適用されていた耐震基準です。

具体的には、震度5強程度の中規模地震に対して「倒壊・崩壊しない」という基準を設けています。

しかし、旧耐震基準では震度6以上の大規模地震に関する耐震基準が設けられていませんでした。

当時は、近年のような大規模地震が起きるのは稀であったため、震度6以上の地震については想定されていなかったのです。

逆に言えば、旧耐震基準で建てられた建物は震度6強や震度7の地震による倒壊のリスクが高いともいえます。

そのため、1981年以前に建てられた建物に今も住んでいる場合、地震の被害から命を守るためには、耐震シェルターの設置が推奨されます。

自治体によっては、1981年以前に建築された建物について無料の耐震診断を行っているところもあるので、早めに自宅の耐震性を確認し、対策に動き出しましょう。

新耐震基準とは

地震によるひび割れ

新耐震基準とは、1981年6月1日以降の建築確認で適用されている耐震基準です。

具体的には、震度6強から7程度の大規模地震で「倒壊・崩壊しない」という基準を設けています。

また、震度5強程度の地震に対しては「軽微なひび割れ程度にとどまる」という基準となっており、旧耐震基準と比べるとより高い基準となっていることがわかります。

実際、阪神・淡路大震災が発生した際にも、新耐震基準に適合した建物の7割以上が軽微被害で済んだというデータがあるほどです。

しかし、新耐震基準を満たした建物であっても、倒壊のリスクはゼロではありません。「万が一に備えたい」という場合は、新耐震基準の建物に住んでいる場合であっても、耐震シェルターの導入を検討してみましょう。

新耐震基準と旧耐震基準を見分ける方法

自宅の耐震基準が新旧どちらかを調べる際は、建築確認日を確認しましょう。

建築確認日は、建物が法律に適合しているかどうかの審査を受けて、申請が受理された日のことです。

建築確認日が1981年5月31日以前なら旧耐震基準、6月1日以降なら新耐震基準が適用されています。

建築確認日は確認通知書(副)に記載されており、紛失した場合は再発行することができません。

どうしても見つからないときは、役所の窓口で確認台帳記載事項証明を取得して確認しましょう。

命を守るために必要な耐震シェルターの耐久基準・目安とは?

ここからは、耐震シェルターの設置を検討する際の「耐震シェルターそのものの耐久基準」について、解説します。

命を守るために求められる耐震シェルターの耐久基準は、建物構造によって異なります。

以下では、建物構造ごとの耐久基準を解説するので、参考にしてみてください。

建物構造ごとの重さの目安

耐震シェルターの耐久力の基準を測るうえでは、建物自体の重量が参考になります。

建築面積16坪の場合の建造種別ごとの建物の重さは、以下のとおりです。

建造種別 重さの目安(建築面積16坪の場合)
木造 30~40トン程度
S造(鉄骨造) 40~50トン程度
RC造(鉄筋コンクリート造) 150~200トン程度

つまり、地震によって建物が倒壊した場合でも、これらの重さに耐えられるシェルターであれば、安全に避難することが可能だということです。

ただし、実際の重量は建物の広さや高さなどによっても変わるので、あくまでも目安のひとつにとどめておくようにしてください。

耐震シェルターに必要な耐荷重量の目安は50トンからがおすすめ

耐震シェルター

耐震シェルターに必要な耐荷重量の目安は、50トンからが推奨されます。

50トンの耐荷重量があれば、一般的な木造住宅や軽量鉄骨造の住宅が倒壊した場合でも、身の安全を確保できる可能性が高いからです。

ただし、必要な耐久性能は建物の構造はもちろん、設置場所の階数や床の耐荷重量などによっても異なります。

そのため、専門家とも相談したうえで、それぞれの建物に見合った耐震シェルターを選ぶことが大切です。

HANAREでは、設置場所ごとに最適な耐久力を備えた耐震シェルターを提案させていただきますので「どれくらいの耐久力があればいいのかわからない」という方も、お気軽にご相談ください。

耐久力以外も重要!耐震シェルター選びの基準5つ

ここまで、耐震シェルターを設置できるかどうかや設置すべきかどうかという基準のほか、耐震シェルターそのものに求められる耐久力の基準について解説しました。

しかし、適切な耐震シェルターを導入するためには「どんな耐震シェルターを選ぶか」という点も重要です。

そこでここからは「耐震シェルターを選ぶときの基準」について、解説します。

耐震シェルター選びでは、以下のポイントを意識しておきましょう。

  • 信頼できるメーカーから購入する
  • 避難する人数に合ったサイズを選ぶ
  • 性能とコストを見極める
  • 長期避難や浸水への対策がされているか確認する
  • 有事のとき以外にも活用できる製品だと◎

耐震シェルターは決して安い買い物ではないので、これらの点を押さえて後悔しない商品を選ぶことが重要です。

信頼できるメーカーから購入する

核シェルター

耐震シェルターは、信頼できるメーカーから購入することが大前提です。

耐震シェルターはいざというときに命を守る重要な防災装置であり、設計や製造の品質が安全性に直結します。

具体的には、厳しい耐荷重試験をクリアしているか、多くの実証実験を重ねているかといった点に着目しておくとよいでしょう。

また、設置後の保証やメンテナンスが充実しており、専門スタッフによる丁寧なサポートがあればより安心です。

耐震シェルターのメーカーに関しては、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

避難する人数に合ったサイズを選ぶ

シェルター

耐震シェルターは、避難する人数に合ったサイズを選ぶことが重要です。

シェルター内で安全かつ快適に過ごすためには、十分な空間を確保する必要があります。

具体的には、1人当たり2~3㎡程度の広さがあれば、横になった場合でも窮屈に感じにくいでしょう。

ただし、防災用品や食料品などで一部のスペースは埋まってしまうため、少し余裕をもってサイズ設定することをおすすめします。

なお、当社で取り扱うWNIでは、避難する人数やご希望に合わせてサイズを自由にカスタマイズ可能です。

ご予算や設置場所に合わせて、最適なサイズをご提案させていただきますので、気になる耐震シェルターがある場合はぜひお気軽にご相談ください。

また、耐震シェルターのサイズに関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。サイズ選びで悩んでいる方は、合わせてチェックしておきましょう、

性能とコストを見極める

耐震シェルターを選ぶ際は、性能とコストのバランスを見極めることも大切です。

耐震シェルターは、発電機やトイレ、シャワーなどの充実した設備・性能を備えたタイプや、特別な性能・設備はなく単に身を寄せられるだけのタイプなど、さまざまな性能を備えたものがあります。

当然、高い性能を求めると価格も上昇するので、「どんな性能が必要なのか」という点を踏まえて、予算とのバランスを考慮して選ぶようにしましょう。

なお、一般的な耐震シェルターの相場は以下のとおりです。

タイプ 材質 価格目安
部屋型 木・鉄など 約20万〜450万円
コンテナ型 鉄・コンクリート・鉛など 約400万〜1,300万円
ベッド型 鉄・鋼・強化スチールなど 約25万〜100万円
テーブル型 鉄・鋼・強化スチールなど 約20万〜60万円

また、耐震シェルターの価格は本体価格だけでなく、設置費用や補強工事費も含めて総費用を見積もることが重要です。

製品によっては、自治体の補助金制度を使えることがあるので、有効に活用しましょう。

耐震シェルターの価格が気になる方は、以下の記事も参考にしてみてください。

耐震シェルターの値段はいくら?設置費用や本体価格の相場をタイプ別に解説

長期避難や浸水への対策がされているか確認する

部屋型シェルター

耐震シェルターを選ぶ際は、長期避難や浸水への対策がされているかも確認しておきましょう。

地震などの災害では避難が短期間で終わらず、数日から数週間にわたってシェルター内で生活せざるを得ない場合があります。

予算にもよりますが、万全を期すなら酸素供給装置・換気機能・冷暖房設備が備えられており、蓄電機能を有する製品がおすすめです。

また、海が近い場合は津波などの二次災害による浸水のリスクも考慮しておかなければなりません。防水設計で排水設備が付いている製品を選ぶとより安心でしょう。

有事のとき以外にも活用できる製品だと◎

核シェルターの内部でくつろぐ人

耐震シェルターは有事のときだけでなく、日常生活でも活用できる製品を選ぶのがおすすめです。

設置後にほとんど使われず場所を取るだけの存在になると、「せっかく買ったのに邪魔だった…」という事態になりかねません。

例えば、HANAREで取り扱うWNI社のシェルターは防音性に優れているため、普段はカラオケルームやシアタールームとして活用できます。

また、酸素カプセルのようなリラクゼーション空間として使用することも可能です。

このように、日常生活でも活用できる空間であれば、避難場所として利用する際にも心理的な安心感も高まるでしょう。

まとめ|シェルター設置でお悩みならHANAREにご相談を

耐震シェルターは、地震で建物が倒壊した際に命を守れる重要な設備です。

少しでも災害時の安全性に不安がある場合は、耐震シェルターの導入を積極的に検討してみてください

耐震シェルターを設置する際には、さまざまな点を考慮する必要がありますが、特に注意しておくべきはメーカー・販売事業者の信頼性です。

少なくとも、十分な販売実績があるかどうかは確認しておくようにしましょう。

なお、HANAREでは、日本シェアNo.1のWIN社のシェルターを販売しています。

予算や家族構成、設置場所などのさまざまな条件から最適な耐震シェルターを提案させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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